| あら、簡単 |
| エンジュ | の | 泉 | の広場 |
| しっぽ | / | ほし | 小5 |
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| src="http://www.mori7.com/izumi/ib/ib990702/img19990805174614.gif"> |
| あら、簡単… |
| 「あーぁ、ご飯がこんなにあまちゃった…。」 |
| 給食の時、ご飯の入っているおかまを見て、先生が小さな声でいった。する |
| と、先生は何を考えたのか、配膳代の引き出しからサランラップを取り出した |
| 。そして、いきなり |
| 「おむすびを作りたい人、いる?」 |
| と言った。その時私はまだ一年生で、ただの「好奇心」のかたまりだった。そ |
| れに私は手が荒れているので、なかなかおむすびを作るきかいがなかった。そ |
| んな私が反応しないわけがない。すぐにさっと手を挙げた。ご飯をもらおうと |
| 、手を差し出すと、その手の上にサランラップを敷かれた。そしてご飯をのせ |
| られた。びっくりして先生を見上げると、 |
| 「サランラップをご飯にまいて作るのよ。」 |
| と、言った。さっそく握ってみた。クニクニと変な音がしておもしろかった |
| 。形が三角(?)になったらサランラップをはずした。一瞬、二十日ねずみが出 |
| てきたのかと思った。やわらかくて、あったかくて真っ白だったから…。初め |
| てにしては上手に出来たなあ、と思った。 |
| 給食で器で食べるのと、同じご飯で自分でおむすびを作って食べるのと、全 |
| 然違った。あの時、自分で作った食べ物は、すごくおいしい、と思った。 |