青春と自分と新しいものが生まれること |
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青春と自分と新しいものが生まれること |
矢崎 温子 |
青春は、未来への不確実な希望と現在の自分への絶望で一杯である。そして |
若さゆえの未熟さ、未完成さも手伝って、それらが新しいエネルギーとなって |
彷彿する時である。それは新しいものが生まれる時でもある。 |
新しいものが生まれる時、その人、その物は創造性に富み、エネルギーに満 |
ちあふれている。しかし、一方で、その創造性と表裏一体である破壊性が、そ |
こにひそんでいる。効用性や効率の良さを求めると、伝統の破壊や自然の破壊 |
がおこるのである。例えば、機械の進歩、拡大は、人類に大きな可能性をもた |
らし、それは我々の日常生活を便利にしただけでなく、宇宙への旅をももたら |
そうとしている。インターネット上の買い物も可能である。しかし、そこに人 |
と人との関わりや昔からの商店街のような温かさはない。その二面性が青春に |
もあるのだ。それが希望と絶望である。 |
私も今、その渦中にある。自分の未熟さ、無知さ、無力さに幻滅し、一方で |
未来の自分に期待もしている。その繰り返しの中で大切なことは、その絶望感 |
や自己否定の原因を他人や親にあると考えて逃げてしまわずに、穏やかに落ち |
着いてよく考え、誇示せず、また過少評価せずに、本当の自分の姿、内面を見 |
つめ直すことだと思っている。そうして初めて、絶望が本当の未来への希望、 |
光とつながっていくのだろう。 |
私達の生活に活躍している多くの機械も物も、利便性だけを追求するのでは |
なく、環境への影響がよく考えられたものであって欲しいと思う。 |
つまり、青春を経て自分のことをよく考え知り、しかしそこにとどまらず、 |
自分の周りや自分の地域、国、そして世界、地球のことへと広く考えられるよ |
うになること、これが重要ではないだろうか。 |