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「これからの日本は」を読んで
アジサイの広場
○○○○あう大2
 これから、日本の国際化が進むことが予想されるなかで、日本の人種も多様
化することが考えられる。だからこそ、日本民族のアイデンティティーにつな
がる文化的概念が非常に重視される。しかし日本語そのものが障壁となってい
るため日本文学のタテのつながりは非常に弱くなっている。したがって、入学
試験に範囲を限定した古典を出題することによって、若い世代における日本文
学のタテのつながりを確立させるべきである。
 
 イザヤ・ベンダサンは彼の著書である「日本人とユダヤ人」のなかで、興味深
いことを書いている。「彼の妻はフランス人であった。今は日本人だけど。」と
いうと、ほとんどの日本人は、フランス人であった妻と離婚して、新しく日本
人である女性と結婚したと考え、フランス人であった妻が、日本国籍を取得し
たのだとは考えない。その妻の国籍が何であろうと、日本人にとっては所詮外
国人なのである。
 
 日本においては、外国と異なり、いわゆる◯◯系日本人と言う表現はめった
にしない。そのため多様な人種から成り立ち、事実上純粋なアメリカ人が存在
しないアメリカ合衆国が結束を保つため国旗や国家と言う概念を重視するのと
は異なり、国家や国旗などの、民族としてのアイデンティティーをとりわけ強
調する必要はあまりなかった。むしろタブー視されていたと言っても良いであ
ろう。しかしこれから国際化がさらに進めば、各国から多様な人種がやってく
ることで、◯◯系日本人が多くなることが考えられる。したがって、筆者が述
べるように日本民族のアイデンティティーにつながる文化的概念が重要になる
ことが予想される。
 
 自分自身の民族のアイデンティティーを重視することのプラスの側面は、そ
の国の機軸が明確になるということではないだろうか。今まで、日本は外国の
良い文化を取り入れることによって、成長することに全力を注いできた。その
ことによって、今では先進国に属すほどの文化水準を持つ国家にまで成長した
。しかし世界をリードする立場に立つ以上は、オリジナルなものを生み出して
世界を牽引しなくてはならなくなる。そのためには外国の良い面をコピーする
だけではなく、自国のアイデンティティーがどうしても必要になる。今の日本
に求められているのは、まさにそのアイデンティティーであるといえるのでは
ないだろうか。
 
 しかし、自国の文化を見直す事は、しばしば一人よがりにすりかえられる危
険が伴う。純粋なドイツ民族の芸術を目指したワーグナーはユダヤ人を非難す
る著書を書いているが、このことがのちにナチスに利用されたことは有名な話
であるし、現在の国際紛争の原因のほとんどが、狭い視野の民族主義といって
もいい。したがって、国際教養も当然必要になることは言うまでもない。
 
 たしかに、日本はものまねしか出来ない国であるという批判は、よく言われ
ることである。しかしちょうど素人が、トップアスリートと同じ速さでは走る
ことが出来ないように外国の優れた文明を取り入れるためには少なくともその
国と同じレベルを持たなくてはできないことである。したがって、外国のまね
をしてきた日本が全く能力がない国とは決して言えない。その一方で先進国に
なり、もはやコピーするものがなくなってしまった日本に必要なのは、両者を
比較しながら学んでいくことではないだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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