ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1352番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/25
頭括型の書き方をなぜするか as/1352.html
森川林 2011/09/13 16:30 


 文章の構成の仕方を大きく分けると、頭括型と尾括型に分類できます。

 頭括型というのは、最初に意見を書き、次に実例を書くような書き方です。

 尾括型というのは、その反対で、最初に具体的な実例を書き、最後に意見を書くというような書き方です。



 作文を書く側からすれば、尾括型の方が書きやすく思えます。それは、人間は、最初に具体的な物事を考え、そこから次第に抽象的な意見に移る形で考えるからです。尾括型の作文は、考える順序と書く順序が一致しているので書きやすいのです。

 また、文章の出来栄えという点から見ると、尾括型の方が、途中で文章の盛り上がり、飛躍、落ちなどの工夫ができるので、文学的な文章を書きやすいという面があります。

 しかし、入試の小論文は、わかりやすく理路整然と書くことが大事なので、尾括型よりも頭括型で書いた方がいいのです。特に、テーマが難しくなればそれだけ、頭括型で書く必要が出てきます。



 頭括型の書き方には、大きく三つのパターンがあります。



 第一は、文章全体を、意見→実例という形で書いていくことです。

 高校生の書く小論文では、課題が難しくなるので、第一段落の結びのところではっきりとした意見を書いておかないと、そのあとの展開がスムーズにできなくなります。それは、最初に意見をはっきりさせておかないと、書いている本人が、自分が何を書いているかわからなくなることが多いからです。このケースは、実はかなりよくあります。



 第二は、展開部分を、抽象→具体という形で書いていくことです。

 例えば、意見のあと、理由と実例を書く場合、理由→実例という流れで書いていくことです。同じように、方法→実例、原因→実例、対策→実例の場合も、最初に抽象的な説明を書き、そのあと裏付けとなる具体例を書くようにします。

 例を挙げると、こういう形です。

▲私はこう思う。→この間、こんなことがあった。→だから、こういう理由なのである。

◎私はこう思う。→その理由はこうである。→例えばこの間、こんなことがあった。

 実は、中学生のころは、この書き方がなかなかできません。それは、具体的な実例を書く語彙力はあるのですが、抽象的な理由や方法を簡潔に書く語彙力がまだ不十分であることが多いからです。



 第三は、構成の仕方自体を頭括型で書いていくことです。

 例えば、最初に、「○○は三つある」などと、文章全体の構成を提示し、そのあと、「第一に……」とひとまとまりの内容を書き、「第二に……」で次のひとまとまり、「第三に……」で最後のひとまとまり、と書くような書き方です。

 入試の小論文では、普通、こういう形で書くほど余裕のある人はいません。ほとんどの人は、大まかに全体の見通しを考え、書きながら少しずつ見通しを修正して書いていきます。

 「○○は三つある」という形で先に全体の構成を提示して書けるのは、構成力に自信のある人に限られると思います。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


コメント欄

乙女 2022年7月13日 14時21分  
わかりやすかった


コメントフォーム
頭括型の書き方をなぜするか 森川林 20110913 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
まみむめ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「まみむめ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 受験作文小論文(89) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25
毎日新聞に言葉 森川林
 しばらく前に、毎日新聞の人が取材に来ました。  そのとき 4/24
テスト送信 森川林
https://www.mori7.com/za2024d0 4/24
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習