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発表力を伸ばす教育が、頭をよくする。授業に主体的に参加する子ほど力が伸びる as/4563.html
森川林 2022/11/08 03:59 


●動画:https://youtu.be/EYoOdD9kRAQ

 「何か質問がありますか」と言うと、すぐに、「はい」と手を挙げる人がいます。
 そこまででなくても、「○○さん、どうですか」と聞くと、すぐに自分の考えを言える人がいます。

 そういう人は、仕事のできる人ですし、グループで仕事をするときもリーダー的な役割を果たせる人です。
 これは、頭のよさももちろんありますが、それ以上に、いつも主体的に行動できる姿勢を持っている人だということです。

 しかし、こういう発表の練習をする場は、今の教育ではほとんどありません。
 むしろ、日本では、授業中に質問するような人は、先生から煙たがられることがあります。
 「出る杭は打たれる」という文化の中では、黙って素直に聞いているだけの人が生まれやすいのです。

 言葉の森のオンライン4人クラスでは、発表の機会が数多くあります。
 まず、授業の最初の読書紹介がありまです。
 自分の読んでいる本をわかりやすく紹介するというのは、かなり難しいことですが、小学校高学年になると、その本の要約を簡潔に述べつつ、印象に残ったところを説明し、自分なりの感想を言うというところまでを短時間でわかりやすく説明する子が増えてきます。

 先日、小学5年生のお母さんから、「子供が、病院で、自分のことをわかりやすく医師に説明したので、その先生に褒められた」という投稿がありました。
 ほかの人の前で、自分の言いたいことを具体的にかつ簡潔に述べることができるというのは、慣れていないとなかなかできません。

 オンラインクラスでは、授業の中身も、生徒の説明を重視しています。
 先生が教えるのではなく、先生はむしろ質問役で、子供が説明する時間が長いのです。
 こういう授業スタイルは、35人の生徒のクラスではまずできません。

 オンラインクラスでは、授業の最後の締めくくりの時間に、「一人一言」という時間を設けることがあります。
 これは、今日のことでも、昨日のことでも、未来のことでも、自分が思っていることでも何でもいいので、一人一言のスピーチをする時間です。
 この時間帯に、子供たちの個性が出ます。
 勉強という答えの決まった世界では、個性はほとんど出せませんが、自由な一言の時間には、誰もがそれぞれ個性的な自分らしさを発揮します。

 これからの教育では、このような答えのない時間に、自分らしい個性を出すことが大事になってきます。
 こういう発表型の勉強で育った子には、今の学校や塾での勉強は、物足りなさを感じることが多いと思います。

 発表の時間は、勉強の知識を吸収する時間に比べて、おまけの時間のように思う人がいるかもしれませんが、実は、この発表の時間は、単なる勉強の時間よりもずっと頭が活性化しています。
 発表と参加を中心とした主体的な学習で、頭自体がよくなっていくのです。



コメント欄

森川林 2022年11月8日 4時29分  
 発表力というのは、まだ成績の評価のような形になっていません。
 しかし、社会に出ると、その発表力があるかどうかが大きな差になります。
 それは、ものごとを自分なりに考える力であるとともに、そのものごとに主体的に関わろうとする姿勢なのです。


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