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7月の森リン大賞(中3の部) as/1017.html
森川林 2010/09/11 08:42 

 7月の森リン大賞です。

 掲載されていない作品の中にも、力作がたくさんあります。




 1位の作品は段落のマスが空いていなかったので入れておきました。ワードなどのワープロで作る空白は見た目だけのものなので、いったんメモ帳などのエディタに貼り付けて空白を作っておくといいと思います。


7月の森リン大賞(中3の部59人中)

目的のための所有とは
arugebak

 学校の公民でも習うが、世の中で買えるものには二種類ある。財とサービスだ。この財のなかには一度使うと無くなるものもあるが。一年に何回も使わないものや使う機会が一度しかない割に高価なものさえある。耐久消費財にも使用頻度があるわけだが、結局は捨てる事となる。こういったものを持ち続けるのはムダではないだろうか。今はエコの時代。不景気もあり、一時のためだけに大がかりなものを買って捨ててしまうのは環境にも財布にも悪い。温暖化どころか懐が寒冷化だ。

 そこでどうすべきか。考えられる案の一つがレンタルだ。レンタルと言えばレンタルビデオショップとかレンタカーとかが頭に浮かぶと思う。要は“必要なモノを必要な時に借りていらなくなったら返す” ということ。

 私たち地球人はレンタルの考え方で生きていくべきではないだろうか。

 そのための方法としてまず一つ、モノを持っているということそのものに対する価値観を取っ払うことが挙げられる。

 いわゆる所有欲というのはモノを持っているということそのものに対する価値観を顕著に表す例だ。おとぎ話にでてくる王はこの傾向が特に多いように思える。どんなものでも手に入れたがり、そしてたいして使わずに終わる。また、衝動買いにも同様の傾向が見られる。ぱっと見の印象で高価な買い物をしてしまい結局損をしてしまう。ここで問題なのは買う人の感情がいきなり「買いたい!!」になっているところだ。そもそも買い物というのは「~したい。だから買う」という思考のステップを踏むものだ。この「~したい。」の部分はその買い物の目的を表している。そしてその買うモノに求めるのは目的達成のための機能である。つまり「それを持つとうれしい」などの思考は本来挟まれないのだ。この思考が入る事で思考に余計な雑念が入り結果的に無駄な買い物をしてしまうのだ。

 この本当に必要とされている“機能”の最も純粋なかたちがサービスだと考える事ができる。サービスは“モノ”という付加要素を含まないのでサービスを買うということは“目的の遂行”を買っていると言えるだろう。所有欲の挟みようが無いので冷静な判断が出来る。

 そしてこの考え方に近いのがレンタルの考え方だ。レンタルはその“モノ”を金を出して一時的に買うということ、だがモノの実体は貸し主が持っている。つまり実質的には付加要素“モノ”を含んでいないわけだ。サービスと同様に冷静な判断ができる。

 また、レンタルの考え方は全体に適用したときが特に効力を発揮する。その方法、二つ目は社会全体で互いにレンタルをし合えるよう社会を整備することだ。

 この地球全体の資源は限られている。貴重なモノが社会全体に十分に行き渡らないこともあるだろう。だから社会全体でそういったものをレンタルし合い共有された状態にすることで、社会全体にまんべんなく必要なモノが行き渡るのではないだろうか。

 そもそも貴重な資源の共有は昔、町などで行われていた事と本質的に何ら変わりはない。例えば水をくみに行くという目的の遂行のために町全体で井戸を共有していた。温故知新の精神で効率的な社会を取り戻すべきだと思う。

 とはいえ、こんな共産主義的システムが浸透するには国が大きな力で人々を動かすための努力が必要だ。また、持っていることで生じるただ持っている事以上の要素。思い出、誓いの証、形見を忘れてはいけない。しかし、これらは思い出、誓いの証、形見を意味上の機能としたモノだといえるだろう。しかし「成功の秘訣は目的への節操である。」という名言もあるように、ただモノを持つ事ではなく目的のための所有をし、他人と助け合う無駄のない生き方をしたい。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1目的のための所有とはarugebak89151862819089
2制服の利点S-124089126261758484
3「人助け」という社会貢献音楽大好き少年89125064737990
4見えぬものに宿る価値おむふ8818336811410781
5自分なりにだるまー8699858748197
6カメうさちゃん8098649617381
7目標に向かってsnow boy7687752546887
8ウサギとカメAIRIOKA7682653576389
9ウサギと自分疾風7680556606386
10「レンタル」の考え方ショウ7682652536097




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コメント欄

じゃじゃまる 2010年9月14日 22時5分  
この作文で、地球の資源は限られているから、資源を供給しあうためレンタルする、というアイデアに、とても驚きました。大きな視野で物事を見ていて、面白かったです。確かに、使わないものを自分以外の人が欲している時、その人へ貸してあげれば、ものは一つで済むかもしれない。もし、壊れたり返さなかったら、買い取ってもらえばいい。なんて、自分でも色々考えさせられるアイデアでした。


森川林 2010年9月15日 1時5分  
 今、カー・シェアリングなどで自動車を共有して利用する会社が伸びているようです。これからこういう形が増えると思います。
 考えると、派遣労働などというのも、一種のレンタルですが、人間のレンタルというのは、何か問題がありそうですね。

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