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 未来の学校の夢(その1)―寺子屋の復活 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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未来の学校の夢(その1)―寺子屋の復活 as/1050.html
森川林 2010/10/21 17:02 


 未来の学校の夢を今見ました。夢の中で、自分が中学生だったころに戻っていました。しかし、世の中だけは未来の社会になっていたようです。


 なつかしい友達のK君がいました。K君に、「なんだか過去から来てしまったみたい」と話すと、K君は、なぜかすぐに納得してくれました。

 学校の授業は、早めに終わりました。午後2時か3時ごろです。みんな、思い思いに家に帰ろうとしています。

「あれ、部活なんかないの」

と聞くと、K君は、

「もちろん、そんなのはないよ」

と言いました。

「学校の先生だって早く帰りたいし、スポーツをすることを強制されたり、試合やコンクールに向けて競争をさせられたりするのは嫌だから、部活は趣味のものを除いてほとんどなくなったんだ」

「ふーん」

 では、塾や習い事やスポーツクラブなどが早めに始まるのかと聞くと、そういうものもほとんどないそうです。

 昔の子供たちの生活は、学校の部活、塾の勉強、スポーツクラブの練習、家庭のゲームなどが中心でしたが、今の子供たちの活動は、近所の子供どうしの遊びや勉強や読書や仕事などが中心になっているということです。

 不思議に思いながら、K君についていくと、一軒の家に入っていきました。そこは、一種の寺子屋のようになっています。

 近所のいろいろな年齢の子が、思い思いに集まっています。小さい子は、おにごっこなどをしています。中に、そういう小さい子供たちのリーダーになっているような少し大きい子が入っています。

 もちろん、遊びは自由に参加できるようで、数人の子が集まって、庭に放し飼いになっているヤギやウサギにえさをやっている光景も見えます。何をするのも自由なようです。

 部屋の中に入ると、数人で集まって勉強しているグループがありました。教える先生などは、特にいないようです。

 勉強していてわからないところがあると、一緒のテーブルにいる友達に聞いたり、よそのテーブルで勉強している高学年の子に聞いたりします。

 ネットは自由に使えるらしく、中には息抜きのゲームをしている子もいますが、たいていの子は友達どうしで遊ぶ方が楽しいようです。

 大人も、いるにはいます。しかし、子供たちに何かを指示することは、ほとんどないようです。この寺子屋の主人らしい人は、のんびり本を読んだり、小さい子と遊んだりしています。

 寺子屋は、いろいろな年齢の子供たちで運営されているので、大人は特に普段は何もしなくていいのです。

 高校生のグループになると、自分たちで計画して世の中の仕事体験に行くようです。いろいろな仕事を経験するなかで、自分が何に向いているかだんだんわかってくるので、それを大学進学の参考にするようです。だから、寺子屋の中には高校生はあまりいません。

 大学生も、ほとんどいません。専門の学問は特定の大学でやるので、その大学のある都会に出て行くのです。

 しかし、時には寺子屋に遊びに来る大学生もいます。みんな近所で昔からの幼なじみらしく、ニックネームで親しげに呼び合っています。

 こういう寺子屋は、ほかにも近所にいくつかあるようですが、どの寺子屋に行くかは子供たちの自由で、中には時々行く場所を変える子もいます。しかし大部分は、自分にとって最も居心地のいいところにずっといるようです。

 夕方になると、みんな思い思いに家に帰り出しました。兄弟の少ない子は、よその家に泊まり合いをすることも多いようです。(つづく)



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