ログイン ログアウト 登録
 未来の学校の夢(その5)―生き物みんなが家族 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1064番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
未来の学校の夢(その5)―生き物みんなが家族 as/1064.html
森川林 2010/11/04 11:32 


 夕方の家族のお喋りは、大いに盛り上がります。お父さんは、いま取り組んでいる仕事の話をいろいろしてくれます。お母さんも、よく勉強していて、お父さんの専門分野についていろいろな質問をします。

 お母さんも、自分の趣味の仕事を持っているので、その話をすると、今度はお父さんがいろいろな質問をします。もちろん、ここにK君も加わります。夕方のお喋りは、にぎやかな討論会のようでした。

 僕は、こんなに面白い話を毎日していれば、テレビやゲームなんていらないなと思いました。

 夕飯の食卓は、野菜が盛りだくさんです。ほとんどは、自宅で育てているもののようです。

 庭がなくてもベランダや窓ガラスで栽培できる野菜が増えているので、どこの家庭でも、野菜は自宅で作っているようです。

 肉類はあまり食べないらしいので、僕が、

「どうして」

と聞くと、

「食べられる動物の身になったら、かわいそうだからだよ」

と、K君は笑いました。未来の社会の人は、他人ばかりにではなく、動物に対しても共感する気持ちを持っているようです。

 ちょうど社会全体が、他の人も他の動物も含めて、一つの家族のように相手のことを考えているから、わざわざルールを作ったり取り締まる人を作ったりする必要がないのだと思いました。

 僕は、日本の歴史を学んだとき、徳川綱吉が出した「生類憐みの令(しょうるいあわれみのれい)」を悪法のように教わっていましたが、未来の日本の学校では、綱吉の精神は逆に評価されているということでした。

 食事を始めると、窓からリスや小鳥が入ってきました。これらの小動物の中には、ベランダの巣箱で暮らしているものもいるようです。

 人間の間にまじって、リスや小鳥がテーブルの上には上がらずにちゃんと横で待っています。

 ペットとして飼われているわけではないので、つかまえたり手でさわったりすることはできませんが、手の届くぐらいの近さでみんなにぎやかにえさを食べていました。

 近所の家の中には、トンビやフクロウと一緒に住んでいる家もあるようです。

 寝る時間になっったので、ベッドに行こうとすると犬がついてきました。ゴンタという名前で、3歳のゴールデンレトリバーです。

 K君は、いつも犬と一緒に寝ているようです。

「今日は、君がゴンタと一緒に寝たらいいよ」

と、K君が言いました。面白そうなので、僕は、

「うん、ゴンタおいで」

と言いました。

 今日一日いろいろ新しい経験でくたびれたので、僕は、ベッドに入るとすぐに寝てしまったようです。

 朝、スースーという音で目が覚めると、僕の目の前に、寝ているゴンタの顔がありました。僕は、ちょっとふざけて犬の真似をして、ゴンタの鼻をペロリとなめました。ゴンタは、ぱちりと目をさましました。(おわり)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

コメント欄

エズミカレン 2010年11月4日 12時16分  
完結ですか~。
終わってしまって、ちょっと寂しいです。
とても好きでした。
ポプラ社あたりから出版してほしいです(笑)。

森川林 2010年11月4日 16時8分  
 エズミカレンさん、ありがとうございます。

 ふと思いつきで書いているうちに、長くなってしまいました。
 でも、なんだか将来ありそうな話でしょう(笑)。

コメントフォーム
未来の学校の夢(その5)―生き物みんなが家族 森川林 20101104 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
おかきく (スパム投稿を防ぐために五十音表の「おかきく」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習