ログイン ログアウト 登録
 これからの教育に必要なもの―学力向上の先にあるもの 1 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1517番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
これからの教育に必要なもの―学力向上の先にあるもの 1 as/1517.html
森川林 2012/04/12 21:50 



 これまでの教育の目標は、学力の向上でした。

 それは、ある程度まで成果を上げていました。

 しかし、今、新しく学力格差の問題が生まれています。学校で同じように勉強を教えてもらっても、ついてこられない子が生まれているのです。そして、それは、次第に低年齢化しています。つまり、学年が上がるにつれて、ますます学力格差が広がるような状況が生まれているのです。

 学力格差とは別に生まれているもうひとつの問題は、学力の高い子における問題です。学力にだけ目を向けて行われる教育のために、学力以外の要素が不問に付され、その結果人間的なバランスの欠けた学力だけの子供たちが育っていることです。


 この原因の第一は、学力をつけるための方法が確立していないことにあります。その結果、勉強は教えてもらっても、勉強の方法を教えてもらっていない多くdの子供たちは学力不足になり、一方、勉強だけを学校とは別の学習として教えてもらっている子供たちは、勉強以外の要素を欠落させたまま学力をつけるようになっているのです。

 この場合の勉強の方法とは、学齢期になってからの方法だけではありません。むしろ、幼児期からの過程における子供の育て方こそが教育の重要な方法です。子供たちの学力は、決してDNAなどで決まっているものではありません。学力のほとんどは、後天的につまり教育的に作られるものです。しかし、家庭における子育ての方法はまちまちなので、小学校に入学するときには既に学力の差がついています。もちろんそれは、単純に早めに塾に行って勉強したから学力がつくというものではありません。逆に早めの塾通いや、長時間の勉強は子供の学力を低下させます。家庭における子供の教育という方法がないために、広範な低学力と歪んだ高学力が同時に生まれているのです。

 将来、家庭における教育の方法が確立すれば、今あるような学力格差はなくなり、すべての子が高度な学力を持ち、しかも学力だけにとらわれない幅広い人間性も持つようになります。そのひとつの未来のイメージが、全国学力テストで上位になった秋田県や福井県の教育に現れています。学力が上位の県は、学習塾が普及し子供たちが朝から晩まで勉強に追われているところではなく、学校が毎日宿題を出し家庭がその宿題を毎日やらせるという学校と家庭の連携ができているところでした。つまり、教育の方法を学校と家庭で共有できている県が、学力の上位を占めていたのです。

 同じように、幼児期からの学力向上の方法が確立されれば、小学校に上がる段階でもう既にみんな横並びの学力をつけていることになるでしょう。だれもが高校3年生まで、学力の格差などほとんどなく全教科の学力をつけるようになるのが未来の教育の姿です。(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

コメント欄

コメントフォーム
これからの教育に必要なもの―学力向上の先にあるもの 1 森川林 20120412 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
やゆよら (スパム投稿を防ぐために五十音表の「やゆよら」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習