ログイン ログアウト 登録
 森林プロジェクトが目指す教育の未来 1 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1622番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
森林プロジェクトが目指す教育の未来 1 as/1622.html
森川林 2012/09/21 20:02 



■世界を襲う大きな変化

 子供たちの教育を考える際に、日本の社会の現状がどうなっているかということと、これからの社会がどうなるかという見通しを持つことは、きわめて重要になっています。それは、これまでの社会がある一定の方向に(例えば高度成長経済やその後の停滞した経済のように)長期間続く傾向に動くものであったの対して、これから起こる変化は、もっと激しいものになるからです。
 結論を言えば、これまでの、与えられたものだけをただ消化して安定した職業につくという既定のコースは急減します。そういう社会が今後も続くとしたら、それは現在の利権社会が今後も同じように存続することになります。そのような社会では、これからの国際環境の変化に対応できませんから、結局現在の社会は日本が鎖国でもしない限り大きな変化に見舞われることになるのです。

■グローバリズムの未来と多様な未来

 では、新しい社会はどういうものになるのでしょうか。そこには二つのシナリオが考えられます。そのひとつは、グローバルな競争社会です。国境の壁が今よりも更に徹底して取り払われ、弱肉強食の世界が地球を覆い、すべての国でひとつの言語が人類の共通語となり、やがて強力な単一の君主制とカースト制、つまり身分制が人種を基準として確立するような安定した世界です。問題は、このシナリオがエゴイズムを前提とした、どちらかと言えば人間性の低い人たちによって担われていることです。
 もうひとつのシナリオは、国家や民族や言語の多様性を残したまま、ゆるやかな連帯でつながる平和な世界です。しかし、この第二のシナリオを遂行する中核となる国はまだありません。日本が世界への責任に目覚めない限り、第二のシナリオは発動しないのです。

■日本の文化が対立の焦点に

 そして、この二つのシナリオの対立の最後の焦点となるのが、やはり日本なのです。
 今、世界ではさまざまな地域で民族や宗教や国家間の争いが起こっています。しかし、これからの紛争や戦争は、ある意味でいずれ収集できる性格のものです。それは、多くの紛争が単に相互のエゴイズムによって生まれているからです。エゴイズムの世界は強弱の論理でまとまりやすいのです。
 ところが、日本の場合は性格が違います。日本は、エゴイズムを原理としたばらばらな個人の集まりによって作られた国ではなく、地域や歴史や文化のつながりによって有機的に生まれた国だからです。だから、グローバリズムの広がりと最も根本的にぶつかるのが日本の文化です。
 このために、これからの世界の変化は、現象的には世界の各地で行われながらも、本質的には日本を焦点にして行われることになります。そういう大きな変化の流れがある中で子供たちをどう育てるかというビジョンが必要になっているのです。(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
政治経済社会(63) 森林プロジェクト(50) 

コメント欄

コメントフォーム
森林プロジェクトが目指す教育の未来 1 森川林 20120921 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
かきくけ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「かきくけ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
政治経済社会(63) 森林プロジェクト(50) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習