ログイン ログアウト 登録
 勉強を通して人間力を育てること。小学校低学年からの作文教育と家庭学習 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1750番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
勉強を通して人間力を育てること。小学校低学年からの作文教育と家庭学習 as/1750.html
森川林 2013/02/24 08:40 



 これからの教育で最も大事なことは、子供たちのトータルな人間力を育てることです。そして、その人間力の土台の上に専門の学力を身につけられるようにすることです。そういう教育の基盤は、家庭にあります。

 小学生のころから塾で詰め込まれる勉強をしてきた子の中には、肝心の高校生になっても自分の力で勉強できないという子も多くいます。大事なのは、成績という結果ではなく、自分の力で勉強するという過程なのです。

 今は、教育の目標が混迷しています。子供の将来について、漠然と、医者、弁護士、公務員などになれればいいと考えている家庭は多いと思います。しかし、それらの仕事が果たして今後もあてのある仕事であるかどうかはわかりません。

 大きな企業に入ればそれなりに安心ですが、ずっと先には大企業の将来もどうなるかはわかりません。世界をリードしてきたアメリカのGMもフォードもクライスラーも、昔は将来を心配する人など誰もいませんでした。日本という国全体が、他のアジア諸国との相対的な関係で後退し始めている中では、日本の国内での場所だけ考えていることはできません。

 そして、今は会社に入っても仕事が続かずに途中でやめてしまう子も多いのです。この原因は、これまでの教育が、トータルな人間力というものを軽視して、勉強の成績だけに目を向けてきたことによります。だから、成績は一応よくても、たくましく生きていく力に欠けている子も増えているのです。

 このトータルな人間力を育てる核となるものは家庭です。家庭で、子供たちが将来社会人として自立する土台を育てておく必要があります。そして、その人間力の土台の上に、大学で専門の学力を身につけ、それを武器に世の中を渡っていく必要があります。

 では、人間力とは何なのかというと、それは、共感力、自立心、向上心、思考力のような能力と特性です。ところが、今の受験を目指す塾の教育の中では、その人間力と対極の教育が行われてしまうことも多いのです。

 受験勉強を能率よく進めるためには、競争に勝つことを目標にし、与えられたことに嫌でも素直に従い、合格以外のことには気をつかわずに、スピードを要求される勉強に慣れなければなりません。これらの特性は、自己中心性、従順性、小さな自己満足心、条件反射的な学力です。

 小学生という人間形成の初期に、こういう特性を身につけてしまうと、家庭の中でそれを挽回する力がないと、そのまま人間力の乏しい大学生になってしまいます。大学生になって、より大きな人間力を身につけ、より専門的な学力を身につけるという土台は、実は小学生時代の家庭教育に結びついています。

 だから、子育てを勉強だけに絞らないこと、勉強を他人任せにしないこと、家庭で勉強を通して人間力を育てることを、子供の教育の目標としていく必要があるのです。

 言葉の森は、この春から、作文という自分で考える勉強に加えて、家庭学習のアドバイスに力を入れていきます。中学3年生までは、塾に行かなくても家庭で充分に勉強ができます。しかし、その土台は、小学校の低学年から作っていく必要があるのです。


====今日のfacebook記事の引用====

 これまでの勉強は、日本丸のいい場所に乗ることでした。
 日本という国自体が、欧米のキャッチアップという目標で大きく動いていたので、それでよかったのです。
 そして、そのために、受験勉強が過熱し子供たちの教育が塾任せになってきました。

 子供の教育で最も大事なことは、将来仕事のできる社会人となることです。
 そのために必要な能力は、共感力、自立心、向上心、思考力という人間力と、専門の学力です。
 ところが、勉強の目的が受験の合格に絞られると、そういう人間力のついていない大学が増えてきたのです。

 大学入試はゴールではありません。
 本当は、大学はそこで専門の学力を身につけ、リーダーシップのような人間力を更に育てる場です。
 大学生になってから、そういう生活ができるかどうかは、子供が小さいころの家庭教育に結びついています。

 日本丸の動きが遅くなった分、アジア全体は大きく動いています。
 人間力と専門の学力さえあれば、自分でボートを作って漕ぎ出すこともできるのです。

====引用ここまで====



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


コメント欄

コメントフォーム
勉強を通して人間力を育てること。小学校低学年からの作文教育と家庭学習 森川林 20130224 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
やゆよら (スパム投稿を防ぐために五十音表の「やゆよら」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習