ログイン ログアウト 登録
 国語力をつける根本的な勉強法 6「漢字集の暗唱の方法」 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1774番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
国語力をつける根本的な勉強法 6「漢字集の暗唱の方法」 as/1774.html
森川林 2013/03/26 06:31 


 48文字の漢字を続けて30回ぐらい声を出して読むと、ひとまとまりの音のつながりとして暗唱できるようになります。
 30回を数えるためには、「正」の字を書いたり、15回折れる紙を使ったりする方法があります。紙を折る方法の方が読むことに集中できます。
 30回音読したあと、暗唱を定着させるために4つの熟語それぞれの頭文字を頭に入れます。例えば「宣言……官庁……朗報……著名……異色……通訳……」なら、「せかろちいつ」です。これは短期記憶の範囲で覚えられます。
 そして、4つの熟語のつながりを覚えるために、それぞれの言葉の持つイメージを連想します。「朗報 貴族 神聖 奮起」ならば、「朗報が届いたので貴族が神聖な気持ちで奮起した」というような連想です。

 1日5分で48文字を暗唱できるようにしたあと、2日目は次の48文字を暗唱し、3日目は次の48文字を暗唱します。4日目は、3日分の文字48文字×3日=144文字を続けて10回音読して暗唱します。5日目も、6日目も、7日目も144文字を10回ずつ音読していると、1週間でその144文字がすっかり暗唱できるようになります。この1週間で、1つの文字について70回声を出して読んだことになります。

 次の1週間は、別の144文字を暗唱します。次の1週間はまた別の144文字を暗唱します。そして、4週目には、それまでの3週間分の文字144文字×3週間=432文字を続けて4回読みます。それを1週間つづけると、432文字を全部まとめて暗唱できるようになります。1か月を通して1つの文字について98回声を出して読んだことになります。

 貝原益軒の提唱した素読法は、論語などを百字ずつ百回読むことでした。しかし、論語などに使われている語彙では現代語の多くはカバーできません。また、今の時代に1日に百字を百回読むという単調な学習法に耐えられる子はほとんどいません。
 益軒の素読法を現代の言葉の学習にあてはめたのが、この漢字集の音読暗唱です。毎日5分の学習で、3か月もかからずに小1から小6までに習う教育漢字約1000字をすべて読めてイメージ化できるようになります。
 そのあと、常用漢字の暗唱をすれば、やはり3か月もかからずに常用漢字約1000字をすべて読めてイメージ化できるようになります。もちろん、常用漢字には抽象的な言葉が多くなるので、だんだん難しくなりますが、暗唱するという基本は変わりません。
 江戸時代に行われていた素読も、子供にとっては難しい抽象的な言葉で埋められている文章を暗唱することでした。だから、大事なのは反復して定着させることであって、その言葉の意味を理解することではありません。
 この漢字力の基礎の上に、問題集読書という難読の練習を行うことが、文章読解の学習の基本になります。

 漢字学習は決してそれ自体が目的なのではありません。漢字のテストでいい点数を取るために、漢字の勉強をするのではありません。 現代の社会で使われている漢字をすべて自由に読めるようにすることによって、どんな本でも読む力をつけるために漢字の学習を行うのです。
 したがって、漢字の書き取りまで無理にする必要はありません。書き取りも確実に行おうとすれば、かえって読みの進度が遅くなります。そして、自由に読めるようになれば、自然にその漢字も使うようになってくるのです。(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 漢字(17) 

コメント欄

コメントフォーム
国語力をつける根本的な勉強法 6「漢字集の暗唱の方法」 森川林 20130326 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
となにぬ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「となにぬ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 漢字(17) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習