ログイン ログアウト 登録
 創造が価値の源泉となる社会と言葉の森の教育 2、創造教育 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2021番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
創造が価値の源泉となる社会と言葉の森の教育 2、創造教育 as/2021.html
森川林 2013/12/31 03:07 


●創造を支える創造教育の要としての言語

 価値の源泉である創造を支えるものが、ひとつは創造教育で、もうひとつは創造文化です。

 創造教育の要になるものは、言語です。
 人間は、物を作るときでも言葉を使って考えます。この言葉が創造において重要な役割を果たしています。それは、言葉というものが不完全なものだからです。

 完全なものは、新たなものを生み出しません。地球上の動植物は、進化という大きな流れの中で見れば不完全ですが、個体の生存という短い時間の中で見ればほぼ完全な生活をしています。
 鳥は飛びたければ空を飛び、魚は泳ぎたければ水の中を泳ぎます。人間以外の動植物は、完全性の中に生きているので、創造の必要性を感じません。

 人間も、言葉を持たなければ、あるいはテレパシーのような完全な言葉を持っていれば、創造の必要性を感じなかったでしょう。
 不完全な言葉を使ってものを考えることによって、生活の中に創造の必要性が生まれてくるのです。

●創造的な言語教育としての作文

 人間の持つ不完全な言語を、その不完全性を生かして学習する教科が作文です。
 作文には答えがありません。漢字の書き取りや選択式の読解問題は、答えがあるという点で、本質的な言語教育ではありません。それは言語を使うための準備の教育です。

 作文に答えがないのと同様に、本来、あらゆる学問には、数学や科学も含めて答えというものがありません。しかし、それらの学問において答えのない境地にまで到達できるのは、それらの勉強の土台をほぼ完璧に習得したあとです。だから、学問の世界で創造を行うためには、長い準備のための学習期間が必要なのです。

 作文は、そのような長い学習期間を必要とせず、文字さえ書ければすでにその不完全性を活用することができます。この点で、作文は創造性を育てる最適な教科であると言えるのです。

●言葉の森の作文教育(1)項目作文

 言葉の森は、作文教育の方法をいくつか考案しています。

 第一は、項目作文です。書く項目をあらかじめ決めて作文を書くことによって、創造のきっかけを作る作文の書き方です。
 例えば、「複数の方法で書く」という項目のときは、テーマに合わせた複数の方法を考えださなければなりません。「たとえを書く」という項目のときは、その文章の流れに合わせたたとえを作り出す必要があります。
 このような事前の項目指導によって作文を書く方法が項目作文の方法です。

●言葉の森の作文教育(2)森リンテクノロジー

 第二は、森リンテクノロジーです。森リンとは、文章に出てくる語彙によって作文を評価する自動採点ソフトです。
 森リンは、作文という本来内容的にしか評価できないものを、語彙という外形的なところから評価します。この森リンの評価によって、どれだけ多様な語彙で(ということはどれだけ具体的に)、またどれだけ論理的に(ということはどれだけ深く考えて)書いたかということが形式と内容の相関関係として評価できます。

●言葉の森の作文教育(3)長文音読と対話

 第三は、作文の予習としての長文音読と対話です。
 作文を充実させるのは、書いている間のアドバイスや、書き終えたあとの添削ではなく、書く前の事前の準備としての長文音読と対話です。
 音読の反復によって文章の内容を深く読み取り理解する力がつき、家族との対話によって理解のための語彙力と表現のための語彙力が向上します。
 作文は、理解と思考の結果です。結果に手を加えても、作文力は向上しません。作文の学習は、書く前と書いている間が勉強の中心で、書いたあとの評価は、その次に書く前の指導と結びついて初めて意味あるものになるのです。

●言葉の森の作文教育(4)プレゼン作文

 第四は、プレゼン作文です。作文は、発表することによって輪郭が明確になります。はっきりした輪郭を持つものは、自分にとっても他人にとっても、次の創作の土台になります。
 その発表を単なる文章の発表で終わらせずに、画像や音楽と組み合わせひとつの新しい総合芸術的な作品として発表するのがプレゼン作文です。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
創造力(9) 

コメント欄

コメントフォーム
創造が価値の源泉となる社会と言葉の森の教育 2、創造教育 森川林 20131231 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
みむめも (スパム投稿を防ぐために五十音表の「みむめも」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
創造力(9) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習