ログイン ログアウト 登録
 モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その2) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2090番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その2) as/2090.html
森川林 2014/02/20 20:51 


 旧社会の特徴は、カラフルな感性とは反対のモノクロの利便性です。
 資本主義は、大量生産に成功することによって発展してきました。大量生産の目的は、松下幸之助の「水道哲学」であり、中内功の「よりよい品をより安く」であり、人間の誰にとっても普遍的な利便性の追求でした。

 だから、資本主義は基本的にモノクロでしたが、やがて人類の生産力が増してくると、モノクロの利便性は、次第に飽和するようになってきます。
 一家に一台の車、カラーテレビ、クーラーがそろい、一人に一台のスマホが行き渡るようになると、もうそれ以上2台も3台も持つ必要はなくなります。

 このモノクロ資本主義を延命させるものが四つありました。
 第一は、表面的なカラフルさの装いで、買い替え需要を喚起する営業的な努力です。
 第二は、IT産業に見られるような新しいモノクロのフロンティアです。グーグルやアマゾンやヤフーや楽天や、これから生まれるロボット産業は、新社会のカラフル産業ではなく、旧社会の新しいモノクロ産業です。
 第三は、中国やインドやブラジルの新興国の膨大な人口が新たに旧社会に入ることによって生み出される新しい大量の需要です。
 第四は、アメリカが管理していたドルという通貨を、基軸通貨産業のようなものにしたことによって生み出されたバブルの需要です。

 これらの要素が組み合わさることによって、資本主義を延命させる需要が生み出されました。しかし、資本主義は延命したとは言っても、その延命の方向は既に誰の目にも明らかになりつつあるように、最終的な飽和に向かっています。

 話はやや脱線しますが、その飽和の手前にかなり大きな変化が二つあります。
 一つは、中国など新興国で起こる新しい旧社会の内需に環境破壊が伴っていることです。しかし、これは科学技術の発展によっていずれ克服されるでしょう。。
 もう一つは、アメリカの基軸通貨産業が破綻することです。中国には基軸通貨を肩代わりする力はないので、基軸通貨は国際機関が管理するようになるでしょう。そうなれば、その機関は当面アメリカの軍隊を失業から救うために国際軍に編成替えすることができます。また、世界の国々をその軍事力に反比例する形で援助することができます。そのようにして、政治の力で世界平和を実現させることができるようになるのです。

 さて、モノクロ資本主義は、人間の普遍的な需要である利便性を大量に安価に提供することを使命としてきました。
 その大量の単色の需要と生産に適した形態は、大企業化でした。
 しかし、大企業といえども競争はあります。その競争に勝つために必須の条件は、コストを切り下げることです。コストの切り下げは二つの方向で進みます。一つは、人件費の機械による置き換えです。もう一つは、オープン化です。本当は、企業は利益率を高めるためには、クローズド化と囲い込み化を進めたいのですが、オープンでないものは利便性という点で負けるので、やむをえずオープン化を志向するのです。

(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) 

コメント欄

コメントフォーム
モノクロの旧社会からカラフルな新社会へ(その2) 森川林 20140220 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
にぬねの (スパム投稿を防ぐために五十音表の「にぬねの」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習