英語教育は、さまざまな専門家がいて、さまざまな教材があるために、かえって誰に頼り、何をしたらいいのかわからなくなっている面があります。
そして、いろいろな教材に手を出しているうちに、結局どれも中途半端になり、時間をかけたわりに実力がつかないという、今の国語や算数数学など他の教科と同じようなムダの多い勉強になっていくような気がしています。
英語学習の能率のよい方法を考える場合、それを英語だけに絞らず語学一般にあてはまるものと考えていく必要があります。
そう考えるのは、今の日本の英語教育ブームと同じぐらい、やがてアジアや世界で日本語教育のブームが起きると思うからです。
外国の人に、日本語の勉強の仕方を尋ねられたとき、自分の英語学習の仕方をそのまま外国人の日本語学習の仕方に適用できれば、英語を学習した以上の成果を得たことになります。
そこで、外国人で日本語の学習を短期間で成功させた人の勉強法を調べてみると、そこには一つの共通点があるようです。
それは、
1、基本となる教科書は1冊から3冊程度に絞り、いろいろなものに手を出さない。
2、そのかわり、その数冊を何回も繰り返し百パーセント自分のものにする。
3、自分のものにする方法は、その教科書のCD音声を聞いてそっくり真似できるようにする。
4、その教科書の文章を全部暗唱する。
5、その教科書の文章を全部暗写する。
という方法です。
簡単な方法に見えるかもしれませんが、この繰り返して百パーセント自分のものにするという勉強が、ほとんどの人はできません。
大抵は、8割ぐらいできたら飽きてくるので、次の新しい教材に移るという勉強をしているのです。
これは、算数数学でも、国語でも、同じです。
問題集を解く形の勉強は、こういう飽きっぽい勉強法を助長しています。
問題集を解いて、その問題が○だったとしたら、本当はその問題はする必要のなかった問題です。解いただけ時間の無駄だった勉強なのです。
ところが、ほとんどの人は、問題集を解いて○をつけて、それが勉強だったと思っています。
本当の勉強は、×のついた問題を、そのあと何度も繰り返し解いて確実に○にするところにあります。
だから、問題集は、問題集自体に答えを書き込むのではなく、別のノートに計算過程と答えを書き、問題集には○×をつけるだけにとどめておくことが大事なのです。
この「繰り返して百パーセント自分のものにする」という勉強を、英語だけでなく、すべての教科に広げていくことが必要です。
英語でも、算数数学でも、国語でも、勉強の基本は同じ、「1冊を繰り返して百パーセント」なのです。