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寺子屋オンエアに見る新しいネット教育 1 as/2213.html
森川林 2014/09/10 20:35 


 インターネットを使った教育が、広がっています。
 アメリカの大学が主導しているMOOCは、既に世界中の高校生に、優れた授業を無料で提供しています。
 また、小中学生対象には、ゲーム的な面白さを備えた魅力的なネット学習教材を提供する動きが進んでいます。

 教育の分野の中でも、理科や数学の分野は、国境を越えて世界共通の教育が可能です。
 だから今、世界のネット教育企業が目指しているものは、教育界におけるgoogleやamazonという、世界で1社か2社しか勝ち残らない熾烈な競争の結果生まれる独占的な教育市場なのです。

 しかし、この教育観の根底にあるのは、ヨーロッパ的な世界観です。
 それは、できるだけ幅広く大衆的な底辺を広げるとともに、その底辺の頂上をできるだけ高く引き上げ、合理的なピラミッドを作るという見通しを持った世界観です。
 この考え方は、現在の欧米の社会の姿と同心円をなしています。つまり、優れたリーダーのいる社会をいかに作るかということが、よい社会作りの中心になっているのです。

 このヨーロッパ的な教育観をピラミッド型の教育観とするならば、日本の教育観はその対極にあります。
 日本の教育では、優れたリーダーをいかに作るかということよりも、頂点も底辺も含めて全体をいかに底上げするかということに関心が向けられてきました。
 その考え方の根底には、人間は誰でも同じような可能性を持ち、誰もが自分の持ち場で創造性を発揮することが、よい社会作りの条件となるという世界観がありました。
 この日本的な教育観を、ヨーロッパのピラミッド型の教育との対比で言えば、森林型(と言っても雑木林のような森林)の教育観と言ってもよいでしょうす。

 この森林型の教育観におけるネット教育は、頂点をMOOCとし、底辺をゲームとするような教育ではありません。
 それは、ゲームとはほど遠いシンプルな教材をもとに、自学自習式の勉強と、人間どうしの触れ合いの中で行われる教育です。
 その勉強の成果は、点数によってつけられた序列の上位ではなく、それぞれの個性を生かした発表と創造です。

 この日本的な教育によって、子供たちのより本質的、創造的な教育が実現できるのです。
 (つづく)



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ミント 2014年9月16日 18時8分  
欧米型の勉強はピラミッド式というのはよくわかります。プリスクールからハイスクール卒業までアメリカの公立校に子供たちは通っていました。教育も進化していっていると思います。アメリカも公立校をみると公平に教育が受けられることが前提ですが能力がある子はさらに上のクラスが学校内に用意されているのでピラミッド式の頂点がアップしていくのでしょう。日本は森林型とのことですべての子供の可能性を引き上げてくれるのは安心できますね。

森川林 2014年9月16日 19時59分  
 ミントさん、コメントありがとうございます。
 教育以外の分野でも、日本は平等志向で、欧米はエリート志向という文化の違いがあるようです。
 底辺に考える力があるというのが、日本文化の強みだと思います。
 

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