ログイン ログアウト 登録
 勉強はベストエフォートで Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2329番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
勉強はベストエフォートで as/2329.html
森川林 2015/03/10 21:11 


 ベストエフォートとは、「最大限の努力はするができないこともある」という意味で使われます。重点は、「最大限の努力」の方ではなく、「できないこともある」の方にあります。
 インターネットの世界では、通信速度や通信の品質でベストエフォートという言葉がよく使われました。

 しかし、A型気質の日本人には、なかなかそういう発想ができません。電車が定刻どおりに発着するのは、日本の社会では当然のように思われています。これが、「○時○分に着くように最大限の努力をするが、着かないこともある」というのでは、ほとんどの人が納得しないでしょう。

 そういう律儀な性格が、日本社会の発展の基礎になったのは確かです。

 しかし、このベストエフォート型の発想が必要になる分野は、インターネット以外にもあるのです。それが、教育の世界です。
 子供の教育は、工業製品のように、これとこれを組み合わせたら必ずこれになる、というものではありません。さまざまな個性や例外や逆説があるのが人間です。
 しかし、全くランダムというわけではなく、こういうことをすれば確率的に大体こうなるだろうということは予測がつきます。

 そこで大事になるのが、ベストエフォート型の発想です。
 子供の勉強の姿の理想的なイメージは、まず時間が来たら勉強に集中して取り組み、その勉強によって分からなかったことがすぐに分かるようになる、というものでしょう。

 しかし、そういう理想の姿は、現実にはほとんどありません。
 時間が来てもなかなかやらず、人に言われてやっと取り組み、だんだん熱心にやってきたかと思っても、結局昨日できなかったことが今日もできない、という状態が普通なのです。

 ここで、多くの真面目なお母さんは、切れてしまいます(笑)。その結果、「それなら、もう塾に行きなさい」となることも多いのです。
 別に、塾に行くのがよくないのではありません。勉強の自覚がまだできない小中学生のころは、受験期の1年間は、やはり塾で受験型の勉強をした方がいいのです。それは、長時間の勉強時間が確保できるからです。
 しかし、差し迫った受験がない時期は、できるだけ家庭で自分のペースで勉強していく方がいいのです。

 その家庭での勉強に必要な発想がベストエフォートです。「集中力と理解力の伴った理想的な勉強をするように最大限の努力はするが、できないこともある」という勉強の仕方です。重点は、「最大限の努力」ではなく、「できないこともある」の方です。
 なぜ、そういう勉強hの仕方が大事なのかというと、このベストエフォート型の勉強であれば、毎日できるからなのです。

 勉強の本質は、毎日の気長な繰り返しです。毎日やっているうちに、たまに集中して理想的な勉強をするときはあるかもしれませんが、毎回それを求めていたら息切れして、結局毎日やることができなくなります。
 週に数回集中して理想的な勉強をして、あとは遊んでいるよりも、土日曜も含めて毎日同じような勉強をあまり面白くもなさそうに勉強している方が、ずっと実力がつきます。

 毎日続けるための心の姿勢が、ベストエフォートなのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 

コメント欄

コメントフォーム
勉強はベストエフォートで 森川林 20150310 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
そたちつ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「そたちつ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習