ログイン ログアウト 登録
 国語力は知識のようにつくのではなく体力のようについてくる Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2379番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
国語力は知識のようにつくのではなく体力のようについてくる as/2379.html
森川林 2015/07/13 08:58 


 合気道と書道の師匠が、偶然同じことを言っていました。練習は、毎回同じようなものなので、3、4か月やってみて、「ああ、なんだ、毎回同じだな」とやめる人。もう一方は、やらないとなんかおかしいという感じになってくる人。そういう二種類の生徒がいるということです。(師匠とは、保江邦夫さんと山本光輝さんです。)

 現代の社会では、勉強は知識として習得することが中心になっています。数学の解き方のような方法も、知識として習得できます。理屈で理解して知識として習得するのですから、短期間で成果が現れます。
 夏休みは、苦手科目を克服する時期だと言われています。夏休みの1ヶ月間、英語や数学などの特定の教科を本気で勉強すれば、そのわずか1か月で苦手が普通に、普通が得意になるぐらいの大きな変化があります。

 同じように、国語でもテストの成績をある程度上げることはできます。それは、国語の問題の解き方にも、知識で理解して習得できる面があるからです。
 しかし、国語力の土台になっているものは、知識や理解ではなく、その生徒のそれまでのトータルな読書や経験や思考の蓄積です。
 だから、国語の問題集を解くような勉強では、国語力は決して身につかないのです。

 では、国語力はどのようにして身につくかというと、それは合気道や書道の師匠が言っていたことと同じで、毎回同じようなことを続けることによってです。

 国語の問題集は、ほとんどの場合、一度解いたらそれで終わりです。解けなかったからといって、同じ問題を二度三度解く人はまずいません。
 数学の勉強は、これとは正反対です。数学は、解けなかった問題だけを、繰り返し解くことによって初めて身につきます。
 国語は、問題を解くことによってではなく、問題に出されるような難解な文章を繰り返し読むことによって身につくのです。

 ところが、この難解な文章を繰り返し読むという勉強は、家庭ではなかなかできません。それは、問題を解く勉強と比べると、形として残るものがないので、まず子供が飽きてしまうからです。
 また、子供が何とか続けている場合でも、親にはその続けている中身を確認することができません。「問題集読書、やった?」「うん」。これでおしまいになってしまうのでは、親子とも張り合いがありません。
 それで、多くの人は、国語の問題を解くような形の残る勉強に戻ってしまうのです。

 国語の勉強は、知識と理解の勉強ではありません。体力をつけるのと同じ性格の勉強です。
 知識と理解の勉強であれば、週1、2回でも成果が上がります。体力をつける勉強は、毎日やらなければ蓄積されません。しかも、毎日やっても変化がないような状態が長く続き、成果のことなど忘れたときにいつの間にか力がついていることに気づくのです。

 言葉の森では、中学1年生のときに国語が苦手だったという子が、毎週作文を書くために長文を読むという勉強を続けているうちに、中学3年生になるころにはいつの間にか国語がいちばん得意になっていたという話がよくあります。
 それは、国語の問題を解くことによってではなく、国語の問題に出てくるような難しい文章を繰り返し読んでいたからそうなったのです。

 しかし、同じように作文や感想文の勉強をしていても、長文をあまり読まず、先生の言ったヒントだけをもとに書いてしまう生徒はあまり力が伸びません。
 同じような勉強をしていても、自分の力で読む生徒と、人に教えてもらう生徒とでは、実力のつき方が違うのです。

 そこで、言葉の森では、寺子屋オンエアという、先生と生徒が時間を共有できるできる仕組みで、国語の問題集読書を中心とした家庭学習の指導を始めました。
 この問題集読書で大事なことは二つあります。
 第一は、短い時間でいいから毎日やることです。問題集読書の音読だけならわずか3分でできます。感想を書く時間を入れてもせいぜい10分から15分です。これを毎日続けていくのです。
 第二は、1冊の問題集を一度読み終えたら、また最初から繰り返し読むことです。この繰り返しを5回行うのです。

 この問題集読書で、本当の国語力をつけ、それを作文の勉強にも生かしていくという形の勉強を作っていきたいと思っています。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 寺子屋オンライン(101) 問題集読書(33) 記述力(0) 

コメント欄

コメントフォーム
国語力は知識のようにつくのではなく体力のようについてくる 森川林 20150713 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
へほまみ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「へほまみ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 寺子屋オンライン(101) 問題集読書(33) 記述力(0) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習