ログイン ログアウト 登録
 学年別作文の特徴と指導のポイント2 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2428番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
学年別作文の特徴と指導のポイント2 as/2428.html
森川林 2015/09/28 21:02 


 小学2年生は、字数に燃える学年です。
 1年生のころはまだ指の力が弱くて、長く書くことができなかった子が、2年生になるとだんだん長く書けるようになってきます。
 すると、その長く書けることがうれしいので、ひたすら長く書くことを目標にするようになります。

 これは、これでいいことです。人間は、自分が成長しているところを伸ばすのが好きですから、字数が長く書けるようになってきたら、その字数をもっと伸ばしたくなるというのは自然の感情です。

 しかし、字数を長く書くのに関心が向く分、字が雑になったり、細かい表記ミスが出てくるようになります。
 このときに、「字数だけ長くてもダメ。もっと○○でないと」などと言ってはいけません。
 褒め言葉は、本人ががんばっているところに向けて言うのが原則です。だからそれほど難しくはありません。
 しかし、注意の言葉は、本人が意識していないところで言ってしまうことが多いので、それが作文の苦手な子を作ってしまうことがあるからです。

 字数の長さに燃えているのであれば、ただそこを褒めているだけでよくて、その字数以外の注意は言う必要ありません。
 もし、注意をするとしたら、それは事後的な注意ではなく、作文を始める前に、「今日は、こういうことに気をつけて書くんだよ」と事前に言っておくことです。

 字数の長さを褒めるだけで、なぜ細かい表記の注意はしなくてよいかというと、字数に燃える時期は小2の間だけで、小3になると自然に字数の長さへのこだわりを卒業するようになるからです。
 小3になると、字数よりも、表現の工夫や内容の面白さなどに関心が向いてきます。すると、字数は自然に短くなります。
 小2のころよりも字数が少なくなるので、手を抜いているように思うかもしれませんが、この字数が短くなってきたことが進歩なのです。

 では、なぜ小2のころ長く書けるのかというと、小2までは、自分の言葉で書いているわけではないからです。
 本をよく読む子は、読んだ本の文章がのリズム感がそのまま頭に残っています。だから、自分で考えて書くのではなく、本の文章のリズムをそのまま自分が書こうとしている事実に結びつけて写しているだけなのです。
 読書の好きな子は、小2のころに大人も顔負けの達者な表現で作文を書くことがあります。そういう文章が書けるのもやはり、自分で考えて書いているわけではないからです。

 ところが、小3になると、自分の言葉で作文を書くようになります。すると、小2のころよりも、字数も短くなるし、表現もつたなくなることが多いのです。

 言葉の森では、生徒によく、「上手に書けたものがあったら応募するといいよ」と言っています。
 しかし、コンクールなどの応募の適齢期は、小3から小4にかけてです。なぜかというと、この時期は、本人も上手に書くことを意識できる時期で、また作文の題剤も書きやすいものが多いからです。
 小5以降になると、課題が難しくなるので、上手な作文は書きにくくなります。しかし、もちろん小5以降、小6も中高生も、自信のある人はどんどんコンクールに応募しておくといいのです。

 小2以下は、コンクールへの応募はおすすめしません。その理由は、どこかに応募したいという意識が本人にまだないからです。
 また、応募するとなれば、いろいろ書き直すところが出てきます。もともと自分の意思で応募したいと思っているわけではないところに、細かい書き直しがあるわけですから、作文というのは大変だという気持ちを持ってしまうことが多いのです。

 小2までの生徒のいちばんの喜びは、身近なお母さんやお父さんや先生が、自分の作文に関心を持って温かい言葉をかけてくれることです。
 コンクールに入選するとか、ご褒美の賞品があるとかいうことは、この時期の子供たちの本当の喜びではないのです。

 言葉の森では、小1と小2の作文の重点目標は、「楽しく書くこと」としています。
 この時期に、たっぷり楽しく書いていくことが、その後の作文の勉強の土台となるのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 小学校低学年(79) 

コメント欄

コメントフォーム
学年別作文の特徴と指導のポイント2 森川林 20150928 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
けこさし (スパム投稿を防ぐために五十音表の「けこさし」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 小学校低学年(79) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習