自宅で勉強を進めている方の参考になるように、「寺子屋オンエア通信」2月号の自宅学習に関する部分を掲載します。
■音読のビデオメッセージが送れる人はできるだけ毎日
国語の問題集の音読を毎日していると、語彙力がつき、読解力がつきます。
自分だけで毎日やるのが難しいという人は特に、先生へのビデオメッセージで毎日の音読をやっていってください。ビデオメッセージを送る先生はどの先生でもかまいません。土日も含めて毎日やるのが原則です。
ただし、先生はビデオメッセージの中身をじっくり聞くわけではありませんから、ビデオメッセージの中に重要な要件や連絡は入れないようにしてください。
■実力をつける勉強は毎日の自習
勉強の中心は毎日の自習です。塾や学校で宿題が出されると、それが勉強の中心になってしまう人がいますが、それでは実力はつきません。
宿題は早めに仕上げ、必ず自分で決めた勉強をするようにしてください。時間が限られている場合は自習の量は減らしてもかまいません。
なぜ宿題が勉強の中心でないかというと、宿題はできる問題を改めて解くようなことが多いからです。できる問題をいくら解いても力はつきません。できない問題をできるようにするのが勉強です。
自習の中でも読書は最も重要なもののひとつです。勉強の時間がほとんど取れない場合でも読書だけは毎日必ずするようにしてください(ただし中学生は定期テストの10日前からはテスト対策だけに絞って読書を省略してもかまいません)。
小学4年生までは長時間勉強する必要はありません。特に低学年のうちは毎日の勉強の習慣をつけることが目標ですから、勉強は無理のないように早めに切り上げてください。そのために、入室の時間は1時間前よりも遅くてかまいません。
▼国語
小学生は、国語問題集は4~5回読むことが目標ですが、それだけ読み終えていない人も、新しい学年の「ハイクラステスト国語読解力」(受験研究社)の問題集をご用意ください。(注意:「ハイクラステスト国語」ではなく、「ハイクラステスト国語読解力」です。)
小学生で、早めに4~5回読み終えた人は、1学年先の「ハイクラステスト国語読解力」をやっていってください。
中学生で、「ハイクラステスト中学国語長文」を4~5回読み終えた人は、「くわしい国語中1~3」(文英堂)をやっていってください。この「くわしい国語中1~3」は1冊ですが、ページ数が多いので、中2、中3と同じものでやっていきます。現代文以外に古文漢文も載っています。
新しく中学1年生になる人は、「ハイクラステスト中学国語長文」(受験研究社)を用意してください。また、中学生になると定期テストで文法の問題が出ます。ほとんどの生徒がここで点数を下げるので、定期テスト前には、「これでわかる国文法」(文英堂)を用意して読んでおくようにしてください。(文法は毎日の勉強としてやる必要はありません)
▼中学生
中学生は、毎日の自習はコンスタントに行っていきますが、定期テストの10日前(又は2週間前)からは通常の自習はいったん休みにして、テスト対策用の範囲を絞った勉強に切り換えてください。
中学3年間の教科書は、社会に出て一般教養の問題などをやる必要に迫られたときや英語の勉強を再学習するときなどにも役立ちます。必ず保存しておいてください。
▼受験生
新小6と新中3で受験する人は、受験する学校の過去問題集を用意して、春休み中にその問題集に1年間分の答えを書き込み、それを全部読みどういう傾向のどういう問題が出ているかを理解してください。
新小6の場合は、子供だけではできないので、お母さんやお父さんも一緒に取り組んでください。
新中3の場合も、子供に任せていては先延ばしになるので、お母さんやお父さんが責任を持ってやらせるようにしてください。(新高3も同じです。)
過去問を答えと一緒に読むと、問題の傾向と自分の得意不得意がわかりますから、特に差がつきやすい算数数学の問題を中心に取り組む問題集を決め、その1冊を完璧に仕上げることを勉強の目標にしてください。(上記の「ハイクラステスト算数(数学)」が難しい問題まで含めて完璧にできることを目標にするといいと思いますが、そのほかの問題集でももちろんかまいません。大事なことは1冊を完璧にですから、複数の問題集をいずれも9割ぐらいまでやるということのないようにしてください。したがって、塾などに通っている人は、塾で渡された問題集を完璧に仕上げることが目標になります。ただし、塾の問題集は解法が詳しくないことが多いので、わからない問題は必ず塾の先生に質問してわかるようにしてください。)
受験生の国語については、「ハイクラステスト国語読解力小6」又は「くわしい国語中1~3」を1回以上読み終えたあと、夏休みごろから「全国入試問題集国語」(みくに出版)に取り組んでください(志望校以外の問題も含めてやっていきます。男子校・女子校などに分かれていますがどちらでもかまいません)。勉強の仕方は、答えを書き込み、漢字や語句の問題の場合はそのまま覚え、読解の問題の場合はなぜ正解の選択肢以外の選択肢が違っているのかを説明できるようにし、記述の場合はその記述が書けるように覚えるというようにしてください。国語の問題は答えが曖昧な場合もあるので、少数の理解できない問題は理解できなくてもかまわないと考えてください。
国語の読解問題での正解の選択肢以外の説明は、子供本人にさせるようにし、子供が理解できないときは親が一緒に考えてあげてください。
高校受験生の英語については、「英語の教科書の音読暗唱」「これでわかる英語」などと並行して、夏休みごろから「全国入試問題集」(旺文社)の英語に取り組んでください。その場合、取り組むのは英語の長文読解の問題だけでかまいません。長い英文を読みこなすことに慣れるということを英語の受験勉強の中心にしていってください。
受験生は、夏休み明けからがみんなの実力がそろう時期になります(夏休み前までは早めに取り組んだ生徒とまだ取り組んでいない生徒との差が大きいので模試の点数はあてになりません)。夏休みが明けたら、1~2ヶ月に1回のペースで、塾やテスト機関で実施している全国レベルの模擬試験を受けるようにしてください。ただし、実力測定の中心になるのは、過去問ですから、過去問がどのくらいできるかということを受験の目安にし、模試はその参考にするという程度にしてください。
受験には、問題を解くスピードが要求されます。夏休み明けからは、勉強も時間を計りながら行うようにしてください。
▼塾又は通信教材又は私立中学の学校の宿題
塾に通っている人、又は、通信教材をやっている人、又は、私立中学で学校の宿題が毎日の勉強として出されている人は、次のように取り組んでいってください。
国語については、寺オンの国語問題集読書の方を優先してやっていってください。
そのほかの算数数学、英語、理科、社会などについては、勉強する教材をひとつに絞るために、塾又は通信教材又は私立中学の宿題の勉強を優先してください。
ただし、その場合も勉強は1冊を繰り返して完璧に仕上げることが大事ですから、読む教材は4~5回繰り返し読み、解く教材は解法を見てできない問題が1問もなくなるまで解けるようにしてください。この1冊を完璧にという勉強をしていないと、どんなにいい塾や教材や学校の勉強であっても力はつきません。
ただし、ある特定の教科に特に力を入れたいという場合は、1教科で2種類以上の教材を並行して取り組んでいってもかまいません。
(以下、他の教科の勉強については略)