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 頭をよくする作文の勉強法(その4)――親子で作文の話題作りを楽しむ Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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頭をよくする作文の勉強法(その4)――親子で作文の話題作りを楽しむ as/2637.html
森川林 2016/08/25 06:07 


 作文をきっかけにした親子の知的な対話が、子供の頭をよくします。
 しかし、その知的な対話は、明るく面白くなければなりません。そういう対話ができるのはいちばんの存在はやはり両親です。
 両親は子供のことをよく知っているので、双方向的な話ができるからです。

 玉子焼きを作る前に玉子が立つかどうかなどの話をしたあと、運動の得意な子には、三点倒立の話をしてもいいかもしれません。どのような知識も、身体を使って理解したことは、実感として心に残るからです。

 最近の算数数学の入試問題には、そういう身体的な実感があると理解しやすくなる図形や立体の問題がよく出てきます。特に、公立中高一貫校の入試問題は、小学校の教科書の範囲で出すという制約があるために、生活実感の差で差が出るような問題がよく出ます。
 教科書の上での勉強では、概念的な理解が中心になります。
 すると、概念的に解ける問題や、操作的に解ける問題はすぐにできるようになりますが、立体的な図形の問題のように実感の伴う問題は、概念を理解しているだけでは必ずしもすぐにはできるようにならないのです。

 さて、三点倒立も無事に終わって(笑)、玉子焼きの話に戻ると、玉子を割る前に、ここでもまたいろいろな話の材料が出てきます。
 まず、なぜ玉子が、まん丸ではなく縦に長い形になっているかです。これは、玉子に聞いてみなければ本当のことはわかりませんが、いろいろな考えが子供から出てくると思います。

 また、卵というものは、外側からの力にはかなり強くできています。ちょっと力を入れたぐらいでは潰れないようにできています。
 そこで、言葉の森の小5の感想文課題にある「そっ啄の機」の話ができます。
「卵はね、中からヒヨコがかえるときに、外からお母さんのニワトリが、中からはヒヨコが、同時に殻をつついて出てくるんだよ」
「へえ」
「○○ちゃんも、お母さんのお腹から出てくるときはそうしたんだよ。覚えてる?」
「覚えてないなあ」
「というのはウソ。大体殻から出てないし」

 玉子を割るときに、プロっぽい演出をして片手で割ることができますが、子供がやると大抵失敗します。
 玉子を焼いているときにも、焼きかけた玉子焼きをフライパンから空中に放り投げて裏返す技がありますが、これも大抵は失敗してお母さんに叱られます。

 そして、こういう過程を、スマホで写真と動画で撮っておくと面白いのです。

 さて、作文の授業がある日に、先生に「今日は何を書くの」と聞かれて、子供が「玉子焼きを作った話」と言うかと期待していると、意外とそういうことはありません。
 子供は数日たったことは忘れてしまうことが多いので、「今日、学校で遊んだこと」などとなってしまうことが多いのです。
 しかし、それは、それでかまいません。結果を出すことが大事なのではなく、過程を楽しむことが大事で、そういう過程は必ず子供の中に残っているからです。

 また、もし玉子焼きの話を作文で書く場合でも、お父さんやお母さんがいいと思っていた場面で書くことは少なく、子供はよくどうでもいいような話だけを書いておしまいにすることがあります。
 それも、もちろんそれでかまいません。この場合も、結果は二次的なことで、子供が経験したという過程が大事だったと考えておけばよいのです。

 書いた作文は、スマホで撮った写真などと一緒に保存しておけば、子供の成長の記録になります。
 面白く書けたものがあれば、額縁に入れて写真と一緒に飾っておきます。額縁に入れると、どの作文も引き立ちます。

 言葉の森では、プレゼン作文発表会をする機会があります。
 そのときに、その玉子焼きの作文を発表するとしたら、スマホで撮った動画を途中で挿入して発表することができます。
 すると、そこでも子供と両親がいろいろな相談をすることができます。

 このように、作文の勉強は、書く前も書いたあともいろいろな形で生かせます。
 親子の共通の経験を通して話ができるので、知的な話を面白くすることができるのです。


 ところで、こういう話を読んで、「うちでは、まだそんなに作文が上手に書けるような年齢ではないし」と思われる小学校低学年の子のお母さんも多いと思います。
 特に、小学校1年生のころは、まだ文字を書く力も弱いので、作文というひとまとまりの文章になるのは程遠いことが多いものです。
 しかし、そういう時期からでも、作文を楽しく書くことができます。それが、親子作文という方法です。(つづく)



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