ログイン ログアウト 登録
 勉強は反復 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 28番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
勉強は反復 as/28.html
cynthia 2006/03/07 17:50 
 自動車の免許を取るために教習所に通った人にはだれでも経験があると思いますが、教習所の先生の多くはよく怒ります。これはなぜかと言うと、自分が簡単にできることを、懇切丁寧に説明するのはストレスのたまることだからです。

 同じことが、家庭で子供の勉強を見る際にも言えます。親が子供の勉強を見るときに、よくしてしまいがちなあまりよくないやり方が二つあります。

 第一は、説明しすぎることです。勉強の本質は、本人が自分で考えて理解して蓄積することです。しかし、大人はつい、教えることによって勉強をさせているような気持ちになってしまいます。くわしい説明自体は悪いことではありませんが、くわしい説明をしているとその反動でまず親がくたびれます。次に聞いている子供がくたびれてきます。勉強は、簡単に説明して早めに切り上げて、翌日また反復するというやり方で、何度も軽く反復することが理解を定着させるために必要なのですが、一般にどの親も、その日のうちにたっぷり説明をして一回で定着させようと重すぎる説明をしてしまうのです。

 第二の、弱点は、第一の「説明しすぎる」とセットになっていますが、すぐ叱ってしまうことです。自分が自動車教習所で教わったときを思い出してみるといいと思いますが、カーブでは溝に落ちる、縦列駐車はうまく入らない、ブレーキを踏めばガクンと止まるなど、今では無意識にじょうずにできることが当時は全然できなかったはずです。どうしてできるようになったかと言うと、何度も繰り返し練習したからです。子供の勉強も同じです。一を教えて十を知るような子供はどこにもいません。すべての子は、十を教えて一を知るようなのんびりとした歩みで勉強を身につけていきます。

 このように書いている私も、自分の子供の場合、何度か教えてもうすっかりわかったと思っていることを聞かれると、つい怒りたくなってきます(笑)。ただ、私はそのあたりの事情がわかるので、意志の力で、心を神様にして(鬼にして、の反対ね)、「うん? なになに。これは昨日教えたばかりだけど、難しいからなあ。さて、じゃあ、もう一回説明するよ」と、昨日と同じことを同じように説明します。そして、できるだけくどく説明しないようにして切り上げます。

 不思議なことに、同じことを五回も六回も繰り返すと、子供は教えられているという意識なしに自然に理解をしていきます。これをもし一回で五、六倍の時間をかけて教えようとすると、同じ理解をするのに、親も苛立ち子供も嫌がり互いに大きな摩擦を味わわなければなりません。そして、その摩擦の原因を、親は「子供が本気で理解しようとしないからだ」と思い、子供は「親の教え方が悪いからだ」と思いますから、やがて親子で勉強することはだんだん難しくなってきます。

 しかも問題は、こういうやり方がよくないということに、子供が低学年のときは、親も子供も気がつかないことです。子供が素直に言うことを聞く低中学年の場合、親はつい無理に教えたり、できないとすぐに叱ったりしてしまいます。低中学年のうちはそれでも通用していますが、高学年になると次第に親から勉強を教わることを嫌がるようになってきます。子どもが低学年のうちから、優しく軽く反復するような勉強法を心がけていってください。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


コメント欄

コメントフォーム
勉強は反復 cynthia 20060307 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
めもやゆ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「めもやゆ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習