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読書指導のもうひとつの課題――楽しい多読から楽しい難読へ as/3003.html
森川林 2017/08/19 06:01 


 読書の大切さということが、多くの人が了解されるようになってきました。
 長い目で見れば、読む力こそが学力の土台であって、点数で表わされるような知識は表面的なものに過ぎません。
 だから、子供の家庭学習の重点は、第一に読書、第二に勉強なのです。しかし、取り組む順番は、最初に勉強、最後に読書ですが。

 さて、そういう読書の大切さがわかってきたことはいいのですが、ここにもう一つ大きな問題があります。
 それは小学校低中学年の楽しい読書を、どのようにして高学年、中学生、高校生、更には大学生の難しい読書に結びつけていくかということです。

 アメリカの大学教育と日本の大学教育でよく比較される点は、読書の有無です。
 日本では、ほとんどの大学生はあまり本を読んでいません。
 大学での勉強は、高校までの勉強に比べて易しいいことが多いので、大学生の多くは余った時間を読書よりもレジャーやサークル活動など、さまざまな経験に時間を費やしているように見えます。

 確かに、学生時代に新しい経験に挑戦することは必要です。しかし、それと同時に難しい本を読む力を学生時代のうちにつけておかなければ、そういう読書力は社会人になってからはまず身につきません。

 この大学生時代の難しい読書の土台となるのが、高校生、中学生、更には小学校高学年のころに、ある程度難しい本を楽しく読むことができる力を養っておくことなのです。

 ところが、小学校低中学年の楽しい読書から、小学校高学年の難しいが楽しい読書へののつながりがなかなかできません。
 一つの指標として、難しい文章を読む力のある子は、入試問題集の問題文も読書代わりに楽しく読めます。しかし、多くの子にとって、入試問題集の問題文は難しいだけの退屈なものになっていると思います。

 この問題を克服するためには、子供の読書指導を、楽しくたくさん読めばいいというだけものから、自主的に難しい本に挑戦してその魅力を知っていくという、読書内容を成長させるものにしていかなければならないと思います。

 その一つの参考になるのが、子供どうしの読書紹介です。
 読書紹介の中で、同学年の友達が、自分が普段読んでいる本とは少しジャンルの違う難しい本を楽しく読んでいるらしいということがわかると、子供の読書は、その交流の中で自然に発展していくのだと思います。



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森川林 2017年8月19日 6時10分 1 
 小学生の読書時間は、10年前とほぼ同水準で、むしろ少しずつ向上しています。
 しかし、中学生の読書時間は大幅に減り、高校生では1ヶ月に1冊も読まない子が半数以上いるということです。(文部科学省2017年調査)
 これは、実は、中学生、高校生の問題ではなく、小学生の高学年の時期に難しい本を読む楽しさを味わう力を身につけていないことの結果ではないかと思います。


nane 2017年8月19日 6時13分 1 
 高校生で本を読まない子は、大学生になってもほぼ必ず本を読むようにはなりません。
 大学生で難しい本を読まなければ、社会人になってからは絶対にと言っていいほどそういう本とは縁のない生活を送ります。
 これが、日本の教育の隠れた危機だと思います。


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