ログイン ログアウト 登録
 国語力アップの秘訣(7)――小学1年生の作文指導 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3053番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
国語力アップの秘訣(7)――小学1年生の作文指導 as/3053.html
森川林 2017/09/28 08:18 

 まず作文を書く以前の、文字を書く練習を始める時期についてです。

 文字は小学校に上がってから書けるようになればいい、という考えがあります。

 しかし、子供は周囲の家族や親や兄弟のしていることを真似したがります。

 兄や姉がノートに字を書いているのを見ると、必ず自分も同じようなことをしてみたくなります。

 子供が文字に興味を持って書き始めた時期が、文字の練習を始める時期です。

 なぜかと言うと、自己流に文字を書く時期が長いと、整った字の書き方を身につけにくくなるからです。

 勉強の開始時期は、機械的に決めるのではなく、本人が興味を持った時期ということを基準にしておくといいのです。

 さて、小学1年生のころは、経験すること、話をすること、読むことが勉強の中心で、書くことはそのあとの勉強です。

 ところが、学校によっては、1年生の早い時期から作文を書く指導を始めるところがあります。

 そのときに、既に読む力が十分にある子は、作文の勉強についていけます。
 しかし、読む力がまだ不十分だと、作文は直されるだけの勉強になり、苦手意識を持ってしまうことがあるのです。

 だから、1年生のころから正しい書き方をできるようにしておく必要があります。

 しかし、それは苦しい思いをさせてやるものではありません。

 1年生の作文の勉強の基本を一言で言えば、楽しく勉強しながら正しい書き方を身につけるということです。

 また、1年生で、作文を上手に書くことを目標にする必要はありません。

 学校の作文の宿題などでは、上手に書くことを求められる面がありますが、小学一年生の子供に上手さを要求すると勉強に無理が出てきます。

 それは楽しく書くことと相反することが多いのです。

 特に1年生のころは、作文のコンクールに入選するというところまでを目標にしないことです。

 コンクールの入選を目標にすると、どうしても親が口を出したくなります。

 子供が自主的にできる範囲を超えて親が作文のアドバイスをすると、確かに上手にはなりますが、子供が自分で書く喜びを失わせる結果になります。

 親が子供の教育に関わることは大事ですが、その関わりはあくまでも子供の自立心や自主性を尊重する方向でやっていく必要があります。

 そのためには多少不十分なところがあっても、本人が自分の力でやれる範囲に留めておき、それ以上の要求はしないという姿勢が必要になります。

 こういう関わり方を続けていけば、子供が高学年になってからも親子で協力して勉強を続けていくことができます。

 さて、作文を書く勉強の第一は、書くことを準備することです。

 時々、よく書ける子の中に、本をよく読んでいるので、実際の自分の経験を作文に書くのではなく、頭の中に浮かんだ物語を作文として書く子がいます。

 小学1年生のころは、読んだものがそのまま頭に入っているので、読んだ本と同じような文章がすらすらと出てきます。

 そういう作文も、もちろん書いていいのです。

 しかし、実際の自分の経験を通して見たり聞いたり行動したりしたことを書くことで、書き方の工夫ができるようになります。

 ですから、作文に書くことは、自分の経験を中心にしますが、たまたまその週にあったことに任せるのではなく、家庭で意識的にそれぞれの季節の行事や遊びなどを取り入れていくといいのです。

 言葉の森では、実行課題集というものを作り、それを参考にして家庭でいろいろな取り組みができるようにしています。

 自然の観察に出かけたり、家で料理を作ったり、工作や実験をしたりというような経験を作文の題材として使っていくのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 家庭学習(92) 作文教育(134) 

コメント欄

森川林 2017年9月28日 8時28分 1 
 小学1年生のころの子は、何も教えていないときは、みんな作文が好きです。
 しかし、教え始めると、好きになる子と嫌いになる子が出てきます。
 そして、熱心に教えると、それに比例して嫌いになる子が増えてきます。
 作文のような答えのない勉強は、教え方の工夫が必要なのです。


nane 2017年9月28日 8時45分 1 
 体験学習に来た子に、「作文を書くのは、好き? 普通? 苦手?」などと聞いて、「好き」と言う子は、これまであまり作文指導を受けてこなかった子です。
 ですから、表記もできていないことが多いのですが、その代わり教えられていないから、作文が好きなのです。
 逆に、「苦手」と言う子は、正しい書き方がきちんとできます。
 しかし、作文が嫌いで苦手と思っているのです。


コメントフォーム
国語力アップの秘訣(7)――小学1年生の作文指導 森川林 20170928 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 家庭学習(92) 作文教育(134) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習