ログイン ログアウト 登録
 これからの学力の要となる作文力を、友達との交流の中で個性て創造的に育てる――寺子屋オンライン作文 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3393番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
これからの学力の要となる作文力を、友達との交流の中で個性て創造的に育てる――寺子屋オンライン作文 as/3393.html
森川林 2018/09/03 07:09 

 言葉の森では、現在、寺子屋オンライン作文という、ウェブ会議システムを使った少人数の作文クラスを開いています。
 5、6人までの少人数で行うクラスなので、全員が発表をしたり感想を述べたりすることができます。

 学校などで少人数学級という場合、その人数は20人から30人ぐらいです。
 これぐらいの人数であれば、先生の目もある程度行き渡りますが、一人ひとりが発表するようなことまではできません。
 それは、発表に1人3分かかったとしても、20人なら1時間、30人なら1時間半です。質問や感想を述べる時間を確保しようとすれが、すぐに2時間や3時間はたってしまうからです。
 だから、20人や30人の少人数というのは、参加型授業ではなく、従来の一斉指導をもとにした少人数なのです。

 しかし、人数が少なければいいというのではありません。
 最も少ない少人数は、先生1人に生徒1人という関係です。
 この場合は、家庭教師のような感じになりますが、じっくり面倒を見てもらえるというプラス面もあると同時に、次のようなマイナス面もあります。
 それは第一に、コストがかかりすぎることです。コストというものは、成果との関係で評価できますから、きわめて高い成果を出すのであれば、そのコストはそれに見合って高くなっても問題はありません。
 しかし、1対1のコストをカバーできるような成果を上げる教育は、受験期の集中指導やきわめて高度な指導かのいずれかだけで、通常はそういう指導は成り立ちません。

 1対1という少人数のマイナス面の第二は、生徒に先生に対する依存心が出ることです。
 売りて市場、買い手市場という言葉がありますが、相対的に少ないものの方が多いものよりも優位に立つという関係はどの分野でも成り立ちます。
 生徒の数が少ないと、生徒は先生に甘える面が出てくるのです。
 例えば、
先生「宿題やってきた?」
生徒「あ、ちょっと忙しくてできなかったんです」
先生「そう。じゃあ、今度はちゃんとやってきてね」
という流れになってしまうことがあるのです。

 では、生徒一人ひとりが参加できて、しかも、生徒が先生に依存しないぐらいの少人数はどのくらいかというと、これまでの経験から考えると5人前後です。
 しかし、この5人前後の少人数というのは、実はきわめて作りにくい人数なのです。
 たまたま5人前後になるということはあっても、意識的に5人前後を維持して授業を行うというのは、普通の学校や塾ではまずできません。
 大人数の一斉指導か、1対1の個別指導か、どちらかになるのが普通です。

 しかし、もしこの5人前後の少人数を維持できるのであれば、その少人数は、授業に新しい面白さを生み出します。
 それは、生徒どうしが交流できるということです。

 小学校1、2年生のころは、子供の関心は主に親や先生に向かっています。
 友達にどう思われているかということはあまり意識にのぼりません。

 ところが、小学4年生以上になると、親や先生にどう思われるかということよりも、友達にどう思われるかということが重要な関心になってきます。
 これがいたずらの方向に進めば、ギャングエイジの行動となりますが、勉強の方向に進めば、切磋琢磨という方向に進みます。

 言葉の森の寺子屋オンライン作文クラスは、まだ始めたばかりなので、交流を重視しすぎたり、指導を重視しすぎたりという多少試行錯誤の面がありました。
 しかし、だんだんと指導と交流の配分がわかってきました。

 先生がある程度教えるが、教えるばかりでは生徒は面白くない、しかし、生徒の交流ばかりでは指導が後回しになってしまう、また、生徒の交流でも、小4以上の他人を意識した交流と、小3以下の他人をあまり意識しない交流では、生徒の間でもずれがある、などいろいろな要素を考えなければならないことがわかってきました。

 こういうことを一から考えなければならないのは、やはり5人前後の少人数指導で、特に作文指導というものが、まだ世の中にないからです。

 この新しい少人数指導が言葉の森でできるようになったのは、第一に独自の項目指導と事前指導という方法があったからで、第二にZoomやgoogleハングアウトというウェブ会議システムの作れるクラウドサービスがあったからです。
 だから、ほかの学校や塾の作文講座では、まず同じことはできないと思います。

 学校や塾では、従来の一斉指導と、個別添削と、優秀作品の発表というようなある意味でどこでもできる方法で作文指導をせざるを得ません。
 ところが、それで子供たちが熱心に作文の勉強に取り組むようになるかというと、それはかなり難しいのです。
 作文の勉強は、○×のつく勉強と比べると、手を抜いて書こうと思えばかなり手を抜いて書くことができます。
 そのかわり、熱心に書こうと思えば、その子の実力いっぱいの力作も書けます。
 こういう熱心さが、作文指導の効果を左右します。

 5人程度の少人数の作文指導の意義は、子供たちが互いの交流の中で、自然に熱心に作文を書くようになるというところにあります。
 そして、作文の交流以外に、読んでいる本の紹介など、より幅広い交流もできるようになります。
 この新しい作文指導の方法をこれから広げていきたいと思っています。


▽現在、寺子屋オンラインの体験授業ができるようになっています。
 詳細は、こちらに。
https://www.mori7.com/kform_pre.php?f=tkg201809



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
寺子屋オンライン(101) 親子作文コース(9) 作文教育(134) 

コメント欄

森川林 2018年9月3日 7時31分  
 作文が楽しく書けて上達する、というのは言葉の上では簡単に言えますが、実際にはなかなかそういうことはできません。
 作文はもともと苦しい勉強ですし、また、もし準備もあまりせずに楽に書いているだけだとしたら今度はなかなか上達しません。
 しかし、友達との交流のある作文指導の場合は、楽しく書けて上達するということが起こりうるのです。
 それは、少人数クラスでは、ほかの人にどう見られるかという意識が働き、自然によりよいものを書こうと思うようになるからです。

nane 2018年9月3日 7時43分  
 Zoomのウェブ会議教室は、リアルな通学教室よりも、生徒の交流度が高まります。
 通学教室では、生徒は横並びですから、互いに話すときは横を向いたり後ろを向いたりして話さなければなりません。
 ウェブ会議教室では、みんなが正面を向いて話せます。
 だから、よけいに相手のことが身近に感じられるようなるのが早いのです。
 これは、ウェブ会議システムの大きな長所です。


コメントフォーム
これからの学力の要となる作文力を、友達との交流の中で個性て創造的に育てる――寺子屋オンライン作文 森川林 20180903 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
すせそた (スパム投稿を防ぐために五十音表の「すせそた」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
寺子屋オンライン(101) 親子作文コース(9) 作文教育(134) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習