ログイン ログアウト 登録
 作文の書き出しの工夫は、情景の書き出しで Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 3486番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2026/3/2
作文の書き出しの工夫は、情景の書き出しで as/3486.html
森川林 2019/01/02 07:34 

「燃えるような夕焼けが空と海を一杯にしていた。今しも水平線に沈む太陽を右に、船は南へ南へと進んでいた。」(「九つの空」(團伊玖磨著)より)

 作文の長さは、600字から1200字ぐらいのことが多いので、書き出しや結びの書き方が重要になってきます。
 書き出しや結びによって、全体がまとまった印象になったり、そうならなかったりします。

 書き出しで大事なことは、読み手が読んでみたくなるような、すぐにクライマックスに入るような書き方をすることです。
 その工夫のあとで、「いつ、どこで、何をしたか」という説明に入っていくのです。

 その書き出しの工夫として、会話で始めたり、情景で始めたり、名言で始めたりという練習があります。
 この中で、最も簡単なのは、会話の書き出しですが、これは誰でもすぐにできる分、かえって印象に残らない書き出しになってしまうことがあります。
 もちろん、小学校中学年の最初の練習のころは、会話の書き出しに慣れていくだけでいいのです。

 しかし、学年が上がって、小学校高学年や中学生になっても、いつも同じように会話の書き出しで始めてしまうと、それはかえって工夫のない書き出しになってしまいます。

 では、どうしたらよいかというと、そのときの情景で書き出しを始めるのです。
 以前、同じようなことを書いたと思って、「言葉の森新聞」を調べてみるとありました。

 小学校高学年以上の生徒のみなさんは、また、小学校中学年でも表現をもっと工夫したいと思うみなさんは、情景の書き出しの練習をしてみてください。

▽言葉の森新聞 第922号より
■書き出しの工夫
 先日、高校生の生徒から、「会話の書き出しってよくないんですか」と質問されました。
 朝日新聞の「炎の作文塾」というコラムで、「会話文から始めないで」という記事があったそうです。その記事では、「文章講座の講師の中に、『文章は会話文から始めなさい』と教える人がいるらしい。そういう講師を信用してはいけない。」「会話文で始めると、独りよがりの文章になりがちだ。文章によほど習熟してくれば別だが、会話文で始めるのは、やめた方がいい。」「○○さんはヘンな講師に習ったのだろうか。」などと書いてあったそうです。思わず、本多勝一氏の「中学生の作文技術」を連想してしまいました。(笑)こういう記事を書く人の視野の狭さは、読み手にも伝染するようで、このようなコラムを読んでいるとつい、「○○をしてはいけない」「○○しかない」という発想をしてしまいがちです。

 文章でいちばん大事なものは中身です。表現は、中身をスムーズに伝えるためにあります。
 私がこれまでに読んだ本で最も難しかったものは、ヘーゲルの「精神現象学」と「大論理学」でした。それは、訳者の訳し方にもよりますが、すべて文末が「である。」で終わっていました。しかも、それぞれの一文が長く、「……である。……である。……である。」という感じで延々と最後まで書かれていました。しかし、中身があるので、その文末の単調さは決して欠点のようには見えませんでした。表現よりも中身が大事という考え方の見本がここにあります。
 ですから、本当は、書き出しの工夫は二次的なことなのです。しかし、もし同じ中身の文章があった場合、読みやすい面白い表現と単調で堅苦しい表現とでは、もちろん読みやすく面白い方に価値があります。特に、現代のように、多くの人が文章を書く時代では、表現の工夫は文章の重要な要素となります。

 表現の工夫の一つとして、書き出しの工夫があります。
 私が、書き出しの工夫として参考としたいと思っているものに、團伊玖磨(だんいくま)氏のエッセイがあります。「九つの空」(朝日新聞社)からいくつか引用してみると、こういう書き出しです。
 「燃えるような夕焼けが空と海を一杯にしていた。今しも水平線に沈む太陽を右に、船は南へ南へと進んでいた。」
 「黄昏(たそがれ)の銀座通りには、一日の勤めを終った人の波が流れていた。夏の残照が、僅かに暮れ残っている天頂近くの数片の鰯雲を紅に染めていて……」
 「夏だと言うのに何処迄も続く鉛色の空を、十五世紀に出来た古い大学の塔が黒い針のように突き刺していて、その針の先だけが……」
 エッセイなのでこういう工夫がしやすいとも言えますが、実は小論文でもこのような書き出しをすることができるのです。
 高校生に書き出しの工夫を説明すると、実力のある生徒は、内容もあり書き出しの表現も工夫した文章を書いてきます。中身と表現を兼ね備えた文章を書くことが小論文指導の一つの目標です。

 しかし、書き出しの工夫には、書きにくいものと書きやすいものとがあります。情景の書き出しなどは、比較的書きにくい書き出しです。情景の書き出しがしにくい場合は、会話の書き出しなどで書きやすく工夫することがあります。
 ところが、表現の工夫には両刃の剣の面があり、ありきたりの工夫では、かえってしない方がいい場合も出てきます。会話の書き出しなどは、特にありきたりになりやすいので、かえって工夫が逆効果になることもあります。
 そこで、その工夫を批判するのは批評家です。教育の観点からは、不充分な工夫であってもその将来の可能性を生かす方向に指導していくのが正しいやり方です。
 今、小中学生で会話の書き出しを練習している人は、この工夫が終点ではなく、今後の工夫の準備であると考えて練習していってください。




コメント欄

森川林 2019年1月2日 7時45分  
 作文で大事なのは、内容の創造性です。
 しかし、作文の評価をする人の多くは、内容よりも表現の見た目を重視します。
 例えば、「字がへただ」「漢字を使っていない」「字の間違いがある」などなど。
 同じような批評に、「会話の書き出しがパターン化している」というのもあります。
 会話の書き出しは、書きやすい分だけ、かえってありきたりの表現になりがちなのです。
 では、書き出しの工夫をどうしたらいいかというと、そのひとつが情景の書き出しです。
 しかし、本当は、書き出しよりも中身の方が大事なのです。

nane 2019年1月2日 7時53分  
 小学校低学年の子が会話の書き出しを使えば、それは書き出しの工夫です。
 しかし、高学年の子がいつまでも同じ会話の書き出しをしていたらそれは工夫の不足です。
 同じように、高学年の子がことわざの引用をしたら、それは工夫です。
 しかし、高校生の子が、あいかわらずことわざの引用だけで済ませていたらそれは工夫の不足です。
 高校生は、ことわざを加工して引用するところまで要求されるのです。


コメントフォーム
作文の書き出しの工夫は、情景の書き出しで 森川林 20190102 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
なにぬね (スパム投稿を防ぐために五十音表の「なにぬね」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 
コメント1~10件
【合格速報】東 ふつ
合格おめでとうございます。 毎週真剣に取り組み、どんどん上 1/7
記事 5403番
国語力、読解力 森川林
読検の解答は個別れんらくでお送りください。 12/29
記事 4331番
国語力、読解力 すみひな
本日の読解検定を受け忘れてしまいました。回答をどちらに送れば 12/27
記事 4331番
森リン大賞が示 森川林
作文力を上達させるコツは、褒めることでも直すことでもなく、書 12/13
記事 5398番
作文コンクール 森川林
 子供たちの教育で大事なのは、知識の詰め込みではなく、読書と 12/10
記事 5395番
読書と作文が子 森川林
 小学生時代は、勉強よりも読書。  中学生以上は、勉強と同 12/9
記事 5394番
子どもの文章力 森川林
今の受験は知識の詰め込みの勉強になっています。 考える問題 12/8
記事 5392番
作検研究。森リ 森川林
作文は、褒められても注意されても、そこに客観的な基準がなけれ 12/7
記事 5391番
「作文検定」「 森川林
 今は、AI社会の前夜。  昔は新聞やテレビが中心だった。 12/7
記事 5390番
AI時代に子ど 森川林
AI時代には、先生の役割は「教えること」ではなくなります。 12/6
記事 5389番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
AIにふりがな 森川林
●内容(ないよう)には点数(てんすう)をつけませんが、次(つ 2/26
森川林日記
2月分 なかそう
中学2年生の読解検定の質問です。問題3のAは本文の4行目〜5 2/25
国語読解掲示板
2月分 なかそう
中学2年生の読解検定の質問です。問題3のAは本文の4行目〜5 2/25
国語読解掲示板
2026年2月 森川林
https://youtu.be/-LcKr7G 2/25
森の掲示板
作文クラスの継 森川林
作文クラスの継続のおすすめ ■■幼稚園年長~小学3年生 2/18
森川林日記
森からゆうびん 森川林
■「森からゆうびん」のお知らせ  「森からゆうびん」は 2/18
森川林日記
散歩中に音声入 森川林
 買い物などに行くとき、歩いているだけでは退屈だから、以前は 2/16
森川林日記
Xの使い方 森川林
・見たくない記事や動画は、右上の…で「このポストに興味がない 2/11
森川林日記
2月分 よこやまりょう
高校二年生の読解検定について質問です。 問1と問2がわかり 2/4
国語読解掲示板
Glitchの 森川林
https://hnavi.co.jp/knowledge/ 1/22
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン