ログイン ログアウト 登録
 読むだけで成績が上がる新しい読解、記述、作文の本――国語のテストは点数ではなく解いた跡を見る Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 3535番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
読むだけで成績が上がる新しい読解、記述、作文の本――国語のテストは点数ではなく解いた跡を見る as/3535.html
森川林 2019/02/05 05:56 

 「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」が発売されます。
 この本は文字どおり、読むだけで成績が上がる実践的な内容になっています。

 例えば、以前こんなことがありました。
 言葉の森で作文の勉強をしていた中学3年生の数学のよくできる生徒がいました。
 あるとき、その生徒のお母さんから電話がありました。「国語の成績がなかなか上がらない」というのです。
 作文は毎週よく両親にも取材して、充実した内容のものを書いていましたから、勉強はしっかりやっているはずです。

 それではということで、実際の国語の試験問題と解答を持ってきてもらうようにしました。
 そのお母さんと生徒の前で、問題文を読み、その問題をどう解くかということを1時間ぐらい問題ごとに説明しました。
 それまでも、一般論としてそういう解き方を話しているはずなのですが、実際にそのとおりにやっている子は少ないのです。

 解き方を説明すると、お母さんもその生徒も驚いていました。
 その後、その子の国語の成績はどんどん上がり、入試は神奈川県のトップ校のひとつと言われるところに合格しました。
 その生徒が、入試のあと、しばらくして何かの話をしているとき、「国語だけは得意なんです」と言うのを聞いて思わず笑ってしまいました。

 このように、国語は解き方さえわかれば、成績は必ず上がる教科なのです。
 しかも、解き方を考えながら問題文を読むと深く読む力がつくので、成績だけでなく読む力もついてきます。

 ところが、こういう解き方を一人ひとりに説明するような時間はなかなか取れません。
 一斉指導で説明することもできますが、その場合ほとんどの生徒は他人事のように聞くだけです。
 だから、家庭でお父さんやお母さんが、子供に国語の問題の解き方を教えるときに使えるようにと考えてこの本を書きました。

 この本は、問題集のような体裁になっていますが、問題を解くための本ではありません。
 読解の問題については、問題文を読み、問題の選択肢を読んだあと、解説を読んでください。
 この解説が、問題の解き方を詳しく説明しています。

 解説を読むと、読解の問題をどのように解くのかがわかります。
 不思議なことに、こういう解き方を学校や塾で教えられている子はかなり少ないです。
 だから、小学生だけでなく、中学生、高校生も含めて、ほとんどの子がこの解き方を教えられたあとすぐに次の週から成績が上がるのです。

 読解問題の解き方のコツをひとことで言うと、緻密に読むということです。
 四つの選択肢があれば、その一つひとつについて、次の図のようにどの部分が問題文の本文と必ずしも一致していないかということを明らかにしながら読むのです。

▽筑波大附属中2017年の問題(「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」より)


 子供が国語のテストを持って帰ってきたとき、親がまず見るべきなのは、点数ではありません。
 点数だけ見ると、「今回はよくできた」とか、「今回はよくできなかった」とかいうだけの話になってしまいます。

 テストが返却されたときにまず見るのは、選択問題を解いた跡です。
 選択肢の一つひとつについて、その選択肢を選ばなかった根拠が、傍線や×や△や?の記号でメモしてあれば、その子の成績は必ず上がります。
 しかし、たぶんほとんどの子は、何も書いていないきれいな問題用紙を持ってきます。書いてあるとしても、せいぜい合っていると思った選択肢に○がついているくらいです。
 合っているものを選ぶのではなく、合っていないものがなぜ合っていないのかという根拠としての△や×や?のメモをしてあることが大事なのです。

 ただし、こういう厳密な読み方をするのは、入試問題などの難しい問題を解くときだけですから、小学校低中学年のうちはこのような読み方をしないでも解けるものがほとんどです。
 だから、多くの子は、そのやさしい解き方の延長で、高学年や中高生になってからもやさしい解き方をしてしまうのです。
 したがって、この本は、まずお父さんやお母さんに読んでほしい本ということになります。



コメント欄

森川林 2019年2月5日 6時43分  
 言葉の森は、国語の教室ではありません。
 国語の勉強のようなものは、やれば誰でもできるようになるのです。
 わざわざ人に教えてもらうようなものではありません。

 ひとりでできないのは、作文です。
 それは、答えのない勉強で、やればどこまでも実力が上がる勉強だからです。

 しかし、この本を書いたのは、ひとりで国語の勉強ができない人がほとんどだったからです。
 この本には、読解、記述、作文の方法が書いてあります。
 いずれも、類書にはない内容ですから、子供さんがお父さんやお母さんと一緒に読んでいただくといいと思います。


nane 2019年2月5日 6時56分  
 勉強は大きく分けて、答えのある勉強と答えのない勉強とに分かれます。
 答えのある勉強は点数がつくので、誰でも関心を持ちます。
 しかし、長い人生で考えると、答えのある勉強で身につけた力の寿命は短いのです。

 大事なのは、答えのない勉強の方です。
 その勉強の典型が、作文と読書です。

 作文も読書も答えがないから、誰でもできます。
 また、答えがないから、特にやらなくても何も言われません。
 しかし、答えがないから、どこまでも高度なところまで進めるのです。

 言葉の森は、今のところ高3までの課題で卒業ということにしていますが、本当はその先の課題もあるのです(笑)。
 今の仕事が落ち着いたら、大学生や社会人の人を対象にしたいつまでも続けられる学問クラブというのを開きたいと思っています。

コメントフォーム
読むだけで成績が上がる新しい読解、記述、作文の本――国語のテストは点数ではなく解いた跡を見る 森川林 20190205 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ぬねのは (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ぬねのは」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン