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公立中高一貫校の作文入試対策 as/383.html
森川林 2009/02/06 09:33 
 公立中高一貫校の入試で、なぜ作文試験が行われているのでしょうか。その理由は、公立なので、受験勉強をあおるような入試はできないというところにあります。そこで、知識を問うような普通のテストのほかに、作文試験が課されているのです。
 話は脱線しますが、現在の公立小中学校の勉強の範囲は、やさしすぎるところがあります。基本をしっかり身につけることは大切ですが、教科書の中にレベルの高い問題がないと、賢い子は物足りなさを感じるようになります。公立中高一貫校では、そのような教科書をもとに入試の選抜試験をしなければならないため、作文試験という形をとるところが増えているのです。
 大学入試では、一足先に小論文試験を導入していました。これは、センター試験などマークシート方式の試験を補完する形で登場しました。
 当初の小論文試験は、ありふれた課題ででした。極端にいうと、「私の家族」「私の友達」のような誰でもが思いつきそうな身近な題名課題で出されていました。しかし、それで入試の選抜ができたのは最初のうちだけです。すぐに受験生が対策を研究して、だれもが同じ水準で上手に書けるようになりました。そこで、身近な題名課題ではなく、文章を読んで感想を書く形の感想小論文のスタイルに次第に変わっていったのです。
 その後、さらに小論文入試に力を入れるところでは、複数の文章を読ませて感想文を書かせるような、より深く考えさせる問題に進化していきました。私の考えでは、受験生に一日に複数の小論文を書かせるような形でないと、本当の小論文の実力はわからないのではないかと思います。
 しかし、小論文の入試が工夫されればされるほど、採点者の負担が大きくなります。また、採点者による評価の個人差が大きいという問題もあります。そこで、現在の小論文入試では、教科の点数でかなりの部分の合否を決め、合格の人だけ小論文をみるという形になっているのではないかと思います。
 中学入試の作文試験も、これから大学入試と同じような経過をたどると思います。作文を読むと、たしかに本人の知的な実力がよくわかります。それが難しい課題であればあるほどそういう傾向が強くなります。逆に、「私の○○」などというやさしい題名では実力差はあまりつきません。しかし、難しい課題で作文を書かせて採点するとなると、採点に時間がかかりすぎます。選抜のために採点に差をつけるというのは、さらに大変な仕事になります。
 そこで、今後の予想です。公立中高一貫校の作文試験では当面、身近な課題がまだ少しは残ると思います。しかし、やがて文章読んで作文を書かせるような形が主流になっていきます。しばらくは、その文章も学校や家庭によくある身近な話でしょう。しかし、だんだんと思考力を要求するような難しい文章になっていきます。採点する側の事情から言うと、文章の上手さを評価するのは難しいので、思考力があるかないかを評価するような形の採点になっていくと思います。
 では、受験生は今後どういう対策を立てたらいいのでしょうか。対策は、三つあります。
 まず第一に、やさしい身近な課題をざっと練習しておくということです。題名としては「私の○○」「私と○○」というような課題です。これで、1時間以内に600字から800字書く練習していきます。作文試験の時間はだんだん短くなる傾向にありますから、慣れてきたら45分以内に600字から800字書く練習をしていくといいでしょう。身近な題名課題を何本か書いておくと、感想文の課題にもそこで書いた実例を応用することができます。
 第二に、1000字から2000字ほどの説明文・意見文の文章を読み、その文章をもとに感想文を書く練習をします。これが今後の勉強の中心になります。これも1時間で600字から800字を書けるようにしておきます。慣れてきたら45分以内で書けるようにしておきましょう。(しかし、これは、小学生だからできるのであって、大人が45分で600字から800字の文章を書くというのは、まずできません)
 第三に、複数の文章読んでの感想文を書く練習もしておきます。こういう形の作文試験を出すところはあまりないので、数回やっておけばいいでしょう。
 作文の勉強でいちばん大事なのは、本人のそれまでの読書力と、これからの家庭の対応になります。家庭の対応というのは具体的にいうと、身近な課題や時事問題について、両親が子供に、両親の実例や感想をたっぷり話してあげるということです。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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