以前、言葉の森に次のような生徒が来ました。
「他の作文通信教育で、有名な先生が監修しているらしいので、よいい教材だと思ってやってみたが、最初は面白かったもののその後なかなか続けることができない。そこで、言葉の森に体験学習を申し込んでみたら、担当の先生が毎週電話をくれるので子供もやる気が出て、作文の電話の日が待ち遠しく思うくらいになってきた」
という話でした。
最近、学習塾でも、作文指導を行うところが増えてきました。
それは、塾教材の出版社が、作文指導のできるような教材を開発して学習塾におろすようになったためです。
しかし、作文指導というのは、実際に教えてみると、書ける子いつも書けるが書けない子はいつも書けないということになりがちです。
学習塾の場合は、書ける子を更に上手に書かせるとか、書けないことをうまく書けるようにさせるとかいう指導はできないので、毎回同じように、よく書ける子と書けない子がそれぞれの作文を書くということになってくるのです。
すると、書ける子は飽きてきますが、書けない子はそれ以上にやる気がなくなってきます。
子供たちを飽きさせないように、厳しい注意をする先生もいますが、その注意が的を外れていることも多いのです。
(実は、指導力のある先生ほど、子供の作文の欠点を注意しません。)
そこで、やはり学習塾で作文の勉強するよりも、小さいころやっていた言葉の森で担当の先生に教えてもらう形の勉強がいいと言って、高学年や中学生高校生になってから戻ってくる子もよくいるのです。
作文指導は、勉強の中でも最も難しいものにあたります。
教科の勉強は、教え方のマニュアルさえあれば誰でも教えられますが、作文はマニュアル以外の作文指導の経験がないとできないことが多いからです。
言葉の森では、小学生から始めて高校生まで作文の勉強している子もよくいます。
そういう子供たちは、たとえ最初は苦手だったとしても、長年続けているうちに必ず上手になります。
作文は上達するのに時間のかかる勉強なので、何しろやめずに長く続けることが大事なのです。
ところが、他の通信教育や塾の作文指導で、作文を書くことがいったん嫌いになった子は、新たに作文の勉強を始めようという気にはなかなかなれません。
だから、最初から、長い伝統のある、たぶん日本でいちばん作文指導の実績のある言葉の森で勉強していくのがいいのです。
スズキ・メソードの鈴木さんが、「子供を音痴にするのは簡単だ」と言っていましたが、子供を作文嫌いにするのも同じように簡単です。欠点を直し続ければいいのです。
受験中の生徒は、この欠点直し中心の指導にも耐えていきますが、受験が終わったらもう二度と作文の勉強などしたくないと思うはずです。
作文を上手にするのは、欠点を直すことによってではないのですが、ほとんどの人が赤ペンでよくないところを直す指導をしてしまうのです。