ログイン ログアウト 登録
 オンライン五人クラスという理想的な教育プラットフォーム Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4335番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
オンライン五人クラスという理想的な教育プラットフォーム as/4335.html
森川林 2021/09/10 21:56 


 オンラインの5人以内のクラスで勉強をするというのは、理想的な教育プラットフォームで勉強するということです。

 第一に、自主学習の時間が確保できる点です。
 ほとんどの教育は、先生が主人公で、生徒はその授業を聞くだけという形になっています。
 それが、将来は、人間の先生ではなく、もっと効率のよい機械になるという道筋しか残されていません。

 人間は、自分が納得しながら学習を進めていくことが大事で、その納得の中には、その子の興味に応じた脱線も含まれています。
 しかし、優れた先生、又は優れた機械は、脱線を無駄とみなします。

 例えば、三角形の面積の計算の仕方を習った子が、そういう三角形の面積を求める数学が、エジプトのナイル川の氾濫のあとの測量の必要から生まれたと聞き、興味を持って、勉強の途中にエジプトの歴史を知ろうと思ったら、それはその子にとって本当の勉強です。
 しかし、合理的で機械的な教育は、それを無駄な回り道とみなします。

 もちろん、勉強の中における脱線は少ない方がいいのですが、もっと単純に言えば、自分が納得できないことは時間をかけて考え、すぐにわかるところは飛ばす、ということができるのが自主学習の長所だということです。
 しかし、一斉学習や機械学習では、そういうメリハリのある学習のできる余地はありません。

 自主学習方式で勉強している子は、短い時間で、学校よりも先に進むことがよくあります。
 それは、本当の意味で、自分らしい勉強をしているからです。

 第二に、勉強の中で、友達との対話や発表があることです。
 発表があるから、自分なりに一生懸命いい発表をしようと準備し、対話があるから、他の人の話をよく聞き、自分の話もできるだけわかりやすく話そうとするようになります。

 このような発表と対話の教育は、今の学校や塾のシステムではまずできません。
 それは、ひとことで言えば、発表するには人数が多すぎるか、逆に発表するにはマンツーマンの授業のように人数が少なすぎるからです。
 なぜ、人数が多すぎたり少なすぎたりするかというと、もともとの教育観の中に、子供どうしの発表と対話という軸がないからなのです。

 第三は、先生の個別アドバイスがあることです。
 自主学習は、もし本人のするままに任せておけば、子供は自然に、易しいところだけを作業的に熱心に行い、難しいところは適当にできたことにして先に進むようになります。
 しかし、先生のチェックがあれば、できるところとできないところがはっきりわかります。
 このできないところの自覚と学習のし直しが、能率のよい勉強の核になるのです。

 第四は、オンラインという形態だからこそ、同じようなレベルの子でひとまとまりのクラスを作れるということです。
 勉強の能率と、勉強を通しての刺激は、同じような学力の子だからこそ生まれます。
 しかし、このオンラインによる同レベルのクラス作りは、オンラインクラスに参加する生徒の人数によって影響されますから、生徒数がある程度多くなるまでは、実現しにくい面もあります。
 しかし、オンラインという仕組み自体が、こういう同レベルの集団作りの可能性という本質を持っているのです。

 第五は、オンライン五人クラスというプラットフォームは、創造的な学力、思考的な学力、共感的な学力を育てることに最も適した形態だということです。
 現在、行われている30人や40人の集団指導、又はマンツーマンに近い個別指導は、知識の詰め込みを重視した時代の教育プラットフォームです。
 集団指導やマンツーマン指導は、答えのある学習を、できるだけ短時間で能率よく習得するために作られた仕組みです。
 子どもたちの創造力や思考力を伸ばすということは、もともと考えられていません。
 せいぜい思考力を問うために作られたという問題を知識的に能率よく解くための学習が行われるだけです。
 これからの時代は、人間らしい創造力と思考力と共感力が問われる時代です。
 既にある答えを早く見つける学力は、人工知能に代替されていくのです。

 このような優れた面を持つオンライン五人クラスは、まだほとんどの人にその本質的な価値が認識されていません。
 多くの人は、このオンライン五人クラスを、人数を5人程度に限定した学習塾というふうに考えています。
 しかし、これから次第にこの教育プラットフォームが持つ可能性がわかってくると思います。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンライン教育(0) 

コメント欄

森川林 2021年9月10日 22時9分  
オンライン五人クラスという教育プラットフォームは、運営の仕方にもよりますが、能率はいいし、楽しく勉強できるし、創造的な教育もできるし、といういいことずくめです。
人間の教育には、人間どうしのアナログ的なつながりが必要です。
今の能率のよい教育というのは、多分にブロイラー的な教育という面があるように思います。

コメントフォーム
オンライン五人クラスという理想的な教育プラットフォーム 森川林 20210910 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
はひふへ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「はひふへ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンライン教育(0) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習