ログイン ログアウト 登録
 教育は家庭の文化の中から——学習塾に流されない家庭生活 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 444番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
教育は家庭の文化の中から——学習塾に流されない家庭生活 as/444.html
森川林 2009/04/06 09:07 
 子供が小学校低中学年のころは、習い事に行くようなこともあまりないので、夕方の食事の時間は家族の団欒の時間として過ごすことできます。ところが子供がだんだん成長して、学習塾に通うようになると、夕方の家族の対話の時間が少なくなってきます。
 子供が夜遅くまで塾に行くようになると、家に帰ってくる時間も当然遅くなります。家庭生活のパターンが塾に行く曜日によって異なるようになると、毎日の自習の習慣を夕方の時間に当てていた場合は、塾や予備校のある日には自習ができないというになります。すると、どうせ週に何回かはできないのなら毎日やること自体が無理だから、毎日の自習もできなくて仕方ないということになってしまいます。
 こうならないようにするために大事なことは、低学年のうちから、朝起きてすぐに毎日の自習をするという習慣を作っておくことです。また、休日には、食卓の話題としてテレビに流されない知的な話をするという習慣もつけて行く必要があると思います。対話の習慣をつけるためにも、子供の長文暗唱というのはいい話題を提供してくれるはずです。
 しかし、このような家庭の文化というものは、ある意味で親の習慣として作られてきたところがあります。親が早起きでなければ、子供に早起きの習慣をつけることはなかなかできません。子供の生活にとっていちばんいいのは、自然のリズムに合った生活をすることです。自然のリズムとは、毎日決まった時間に起きて食べて勉強をして遊んで寝るような生活です。ところが、親は一週間単位という人工的な社会生活を行っています。そこで、翌日が休日のときは夜更かしをして朝は遅くまで寝ているという生活をしてしまいがちです。親にとっては自分の気ままに過ごせる自然な時間ですが、子供にとってはそれは自然な時間の過ごし方とは言えません。
 ところが、この習慣を変えるというのは、子供にとってよりも親にとって非常に難しいことなのです。子供に毎日の長文暗唱の自習をさせ、特にそれを朝おきてすぐにさせるようにし、そして、食卓ではできるだけ家族の対話をするという家庭生活の仕組みを作るのにいちばん苦労するのはやはり親になると思います。
 しかし、考え方を変えれば、いったんそういう家庭の文化を作りさえすれば、その文化は子供が成長して家庭を持ったときにも受け継がれていきます。現代の親は、終戦で日本の家庭文化の伝統がいったん失われたところから、テレビやゲームや塾という障害を乗り越えて新しい家庭の文化を作るという大きな役割を担っているのだとも言えます。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 子育て(117) 

コメント欄

コメントフォーム
教育は家庭の文化の中から——学習塾に流されない家庭生活 森川林 20090406 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
のはひふ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「のはひふ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 子育て(117) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習