ログイン ログアウト 登録
 未来の社会と教育(その3) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 449番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
未来の社会と教育(その3) as/449.html
森川林 2009/04/10 04:40 
 社会におけるテストの役割ということから考えると、テストの性格というものが出てきます。つまり、テストは、社会又はその学校が求めている人材を目標にして作られています。だから、テストのための勉強をするには、ただ学力をつけるだけではなく、どういう問題が出るのか、つまりその学校がどういう人を求めているのかをを見なければなりません。これが、過去問を最優先して行う意味です。漠然とした勉強をして、その結果としてテストを受けるというのではなく、テストに合格するための勉強をするというのがテスト勉強では大事なことになります。しかし、この当然のことがわかっていない人が高校3年生でもとても多いのです。(私もそうだったと思うので、あまり言えませんが。^^;)
 学校での勉強の多くは、勉強のための勉強になっています。勉強の達成度を定期テストなどで評価するというのが学校内でのテストの目的です。しかし、入試というテストは、そういうテストとは正反対の性格を持っています。学校の定期テストなどは、達成度評価テストです。入試などのテストは、選抜テストです。選抜テストに取り組むためには、その選抜の方向を分析する必要があるのです。
 選抜テストが目指しているものを分析することに加えて大事なことは、選抜テストのための技術を有効に使うということです。評価されるのは潜在的な学力ではなく、顕在化された得点力です。選抜テストでは、この生徒は点数は低いが見込みがありそうだから合格させようということはありません。そういう選抜の仕方では、客観性とスピードが保証されないからです。
 得点力を高めるためには、真面目な努力だけではなく、得点を上げるための技術が欠かせません。例えば、昔の英単語帳はアルファベット順でした。その後、試験に出る頻度順の英単語帳が出ました。こういう発想の差が技術の差です。志望校によっては、必ず出る分野とまず出ない分野とがはっきり分かれています。それを見極めるのも技術です。今、記憶術が盛んですが、記憶術のノウハウを勉強に使うというのも技術です。
 選抜テストに勝つためには、努力だけではなく、作戦や技術が大事です。戦争に勝つためには、個々の戦闘だけではなく、戦略や戦術で勝つことが必要だということです。長篠の戦いでは、個々の戦闘力は武田勝頼軍の方が上だったでしょう。しかし、戦術力で織田信長が勝利しました。太平洋戦争では、日本は個々の戦闘や戦術では当初勝利を収めました。しかし、展望のない戦争に巻き込まれるという大きな戦略面で最初から敗北していたのです。
(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

コメント欄

コメントフォーム
未来の社会と教育(その3) 森川林 20090410 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
りるれろ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「りるれろ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習