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スタンフォードオンラインスクール校長の「子どもの考える力を伸ばす教科書」を見て as/4542.html
森川林 2022/10/04 12:00 


●動画:https://youtu.be/K4GBtmkGEu0

 「子どもの考える力を伸ばす教科書」(星友啓著)に、次のような文がありました。

「現代社会において、これまでの考え方や価値観は目まぐるしくアップデートされ続け、既にあるルールの中だけでこなせる仕事はどんどんテクノロジーに置き換わっています。」

 スタンフォードオンラインスクール校長の星友啓(ほしともひろ)さんは、学校の最重要エッセンスとして哲学を必修としているそうです。

 言葉の森の保護者懇談会でときどき、「漢字の書き取りが苦手で……」とか、「計算ミスが多くて……」とかいう相談を受けることがあります。

 今の受験では、一応漢字や計算の問題が出るので、それなりのアドバイスは必要ですが、本当のところは、「そんな勉強は、もうやる必要がないから、そのかわりもっと大事なことをやろう」ということです。

 では、大事なことは何かというと、それは、いつも書いているように、思考力、創造力、共感力です。
 共感力は、コミュニケーション力やコラボレーション力のもとになるものです。

 オンライン4人クラスでは、毎回読書紹介などで、子供が発表する時間を確保しています。
 この発表が、子供たちの発表力とともに、共感力を育てています。

 思考力のもとになるものは、難しい文章を読む力(難読力)です。
 読書だけでは、十分に難読ができない場合は、国語読解クラスの問題集読書で、難読の機会を作る必要があります。

 創造力を伸ばす学習には、作文と難読と暗唱と創造発表とプログラミングがあります。
 そして、子供にとっては、好きなことをする時間、答えのない時間、受け身ではない時間、一見無駄に見える役に立たない時間が必要です。

 将来の子供たちには、いい学校に入り、いい仕事につき、一生安泰で、仕事や会社の発展に伴って自分も成長するというシナリオはほぼなくなります。

 答えのある時代には、答えのある勉強をする必要がありました。
 だから、今の大人の世代は、誰もが答えのある勉強を熱心にしてきました。
 そして、今の日本の学校教育の多くも、その延長上にあります。

 しかし、これからは答えのない時代です。
 学校の勉強以外に、自分の個性を伸ばす勉強をする必要があります。
 それは、勉強というよりも、学問という名前に近くなるでしょう。

 その勉強の中で最も重要なものは、私は、難読になると思います。
 星さんの哲学も、結局はただ考えることではなく、難しいことを考えることですから、そのもとになるものは難読力なのです。

 そこで、言葉の森の将来の講座として考えているのは、難読クラスです。哲学クラスという名称でもいいと思います。
 時間ができたら、小1から高3までを対象にした難読クラスを開設したいと思っています。



コメント欄

森川林 2022年10月4日 13時42分  
 読書には、感情、知識、経験、思考の4つの面があります。
 多くの子供たちに不足しているのは、思考の読書です。
 原因や理由や方法や対策や意見をワクワクしながら読めるのが思考の読書です。
 小学校低学年の子には、「理科好きな子に育つ ふしぎのお話」などが思考の読書になります。
 高校生や大学生には、「精神現象学」や「ドイツ・イデオロギー」や「雇用・利子および貨幣の一般理論」などが思考の読書になると思います。


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