昨日、朝日小学生新聞に、ブンブンどりむの広告が載っていたので、言葉の森との違いを知りたい人がいると思い、比較のポイントを書くことにしました。
いちばん大きな違いは、指導の質が違う点です。
ブンブンどりむは小学校の主に低中学年までの指導ですが、言葉の森は高校3年生までの作文指導を行っています。
指導の仕方は、ブンブンどりむは穴埋め作文と事後添削ですが、言葉の森は表現項目と構成法の事前指導に重点を置いています。
なぜ事前指導が大切かというと、「褒める指導」は、事前指導にもとづいて褒めることに意味があるからです。
ブンブンどりむのように「ほめて伸ばす作文添削」で、子供が何を書いても褒められるとなれば、次第に褒められることに飽きてきます。
事前に指導したことができたから褒めるという、褒められるための目標がなければ、努力することがなくなります。
では、なぜブンブンどりむに事前指導がないかというと、これはあらゆる通信添削に共通することですが、添削する人と生徒とのつながりがないからです。
添削する人は、多くの場合、固定していません。不特定の添削者です。
生徒に何かを教えて、その指導をもとに添削するわけではありません。
誰かわからない先生に、いつも褒める添削をされるという仕組みになっているのです。
これでは、作文は上達しません。
ブンブンどりむは、広告の中で「31年の実績」ということをうたっています。
しかし、31年前に、ブンブンどりむの広告というものを見たことはありません。
たぶん10年ほど前に、小学生新聞に広告を載せたのが最初だと思います。
言葉の森は、42年の実績です。
言葉の森が作文教室を始めたときには、日本には作文教室という概念自体がありませんでした。
年数が長ければいいというのではありませんが、長年の指導の蓄積があるから、どのような生徒にも対応した指導ができるのです。
ブンブンどりむの指導の仕方は、通信添削です。
通信添削の弱点は、子供が家庭で自分の意思で勉強を始めなければならないことです。
すると、結局、親に言われて勉強を始めるようになります。
また、途中で書けなくなった場合、相談できる先生はいません。
だから、子供がひとりでできるようなスモールステップの穴埋め作文が指導の中心になります。
しかし、そういう簡単な方法では、本当の書く力はつきません。
通信添削では、高度な作文指導はできません。
言葉の森では、オンラインクラスで全員が一斉に作文を書き始めます。
そして、作文の勉強のを始める前に読書紹介があり、毎回、先生による個別指導があり、月に1回作文発表の交流があります。
だから、得意な子も苦手な子も、同じように作文の勉強が進められます。
そして、学年に応じて高度な作文の学習ができるようになっているのです。
ブンブンどりむの指導法を監修しているのは、齋藤孝さんです。
齋藤孝さんは、いろいろな本を出していますが、作文教育や読解教育については詳しくありません。
斉藤さんの「こども文章力」「こども読解力」は最近の著書ですが、作文指導の方法は穴埋め作文なので、小学3年生ぐらいまでしか指導できません。
文章力のある子は、このような遠回りの練習をされるよりも、直接作文を書くことを好みます。
斉藤さんの指導法では、小学校高学年や中学生、高校生の作文指導はできないので、ブンブンどりむの主な対象年齢は小学校低中学年になっています。
しかし、作文教育が重要になるのは、考える作文の勉強が始まる小学5年生以降です。
小学3、4年生までの作文は、作文の勉強全体からすれば、助走期間にすぎません。
斉藤さんの読解指導の方法は、問題文の後付け解説です。
これは、誰もが考えつく読解の指導法ですが、これで読解力がつく子はいません。
大事なことは、問題の解き方を理詰めに解説することですが、「こども読解力」には、問題の解き方の例はひとつも載っていません。
だから、斉藤さんの読解指導で読解力はつかないのです。
齋藤孝さんの作文指導や読解指導についてのまとまった話は、こちらの記事に載せています
▼ブンブンどりむと齋藤孝さんに関する記事
https://www.mori7.com/beb_category.php?id=152
以上、もっともらしい広告を見て、勘違いした作文の勉強を始める人がいないように、あえてブンブンどりむと言葉の森との比較を書かせていただきました。