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 未来の子育て、未来の学力(その2)――幼児期の過ごし方、小学123年生の過ごし方 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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未来の子育て、未来の学力(その2)――幼児期の過ごし方、小学123年生の過ごし方 as/5004.html
森川林 2024/03/06 07:47 
サクラ



 子育ては、幼児期から始まります。
 この時期に大切なことは、愛情と対話と自然です。

 今は、使いやすいデジタル機器が豊富ですが、幼児期に接するものは、できるだけ自然にもとづいたものであることが必要です。

 例えば、PCモニターの色数が1677万色あり、見た目にはほとんど自然の色と変わらないように見えても、自然の色の無限さに比べれば、やはり限界があります。

 縦縞の環境で育てられた子猫は、横縞を認識しにくいという実験があります。
 幼児期には、限界のある人工の環境をできるだけ避け、自然に近い環境で育てていくことが大切です。

 これは、音については、特に重要です。
 自然の環境では、音は事実に結びついています。
 例えば、母親の優しい声は、そのときの母親の笑顔と結びついています。

 しかし、テレビやビデオから流れてくる音声は、事実と結びついていません。
 感情を伴わない音声を聞き続けることによって、音声と感情との結びつきが弱くなることが考えられるのです。


 小学123年生は、母語が形成される時期です。
 外国人の子でも、小学123年生の時期に日本にいると、日本語が母語になります。
 日本語が母語になると、例えば、虫の声や鳥の声を、左脳で認識するようになるのです。

 反対に、日本人の子供でも、小学123年生の時期に海外で暮らすと、その現地の言葉が母語になります。
 これは、東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信さんが、多くの調査結果で明らかにしています。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E8%A7%92%E7%94%B0%E5%BF%A0%E4%BF%A1

 しかし、外国語の習得は、中学生からだと遅い面があります。
 音声をそのまま吸収できるのは、小学4年生ごろからです。
 中学生になってから外国語を学ぼうとすると、音声よりも文法的な知識の習得が先に来るようになるからです。


 小学123年生で、大切なのは、勉強よりも読書です。
 勉強の多くは、知識の習得です。
 確かに、この時期は、知識の力が伸びる時期で、ゲームのキャラクターの名前を覚えるようなことに喜びを感じるものです。

 しかし、それを勉強にあてはめて知識の習得を先行させると、確かに成績はよくなりますが、その分考えることが後回しになります。

 考える力の基本は、日本語で考える力です。
 もちろん、図形で考えたり、数字で考えたりすることもありますが、日常生活のほとんどは日本語の力で考えています。

 その考える力である日本語力のもとになるものが、読書と対話です。
 小学123年生で、学校の成績は同じぐらいであっても、読書力が違うことがあります。
 学年が上がるにつれて学力が伸びるのは、読書力のある子です。

 だから、ひとことで言えば、小学123年生の時期は、勉強よりも読書を優先するぐらいでいいのです。

 読書のほかには、お父さんお母さんとの知的な対話、暗唱の練習、生き物を飼うことなどが、子供の成長に役立ちます。

 特に、犬や小鳥など、人間とコミュニケーションのとれる生き物が家族の一員になると、子供の幸福感が育ちます。

 ただし、生き物を飼うときは、親がその生き物の買い方をよく研究しておくことが大切です。
 犬はかわいい動物ですが、幼児期のしつけがうまくできないと、かえって困ることがあります。

 住宅環境によって、生き物が飼えないときは、自然の生き物と接する機会を作ることです。

 ベランダに、ミカンを輪切りにしておいておけば、やがてメジロがやってきます。
 パンくずやご飯の残りを置いておけば、すぐにスズメが来るようになります。
 カラスやハトが一緒に来る場合は、スズメだけが入れる大きさの金網を上に置いておけば、スズメだけがのんびり餌を食べることができます。

 1年たって、子スズメの世代になれば、スズメたちは人間が近くに来ても逃げないようになります。
 スズメ用の巣箱を作ってやれば、ほとんどペットと同じ感じになります。


 家庭生活は、できるだけ笑顔で過ごすことです。
 その役割の大きな部分は、やはりお母さんです。

 人間の生きる目的のひとつは、幸福に生きることです。
 そのためには、お母さんが怖いお母さんにならないことが最も大切なのです(笑)。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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コメント欄

森川林 2024年3月6日 9時39分  
幼児期や小学校低学年のころは、何でも吸収できます。
しかし、この時期に、知識を吸収させるのではなく、言葉の力を育てておくことが大切です。
読み聞かせは、子供の考える力を育てますが、子供が読み聞かせを選べることが大切です。
テレビやビデオやYouTubeやオーディブルなどで無理やり読み聞かせを続けると、言葉と感情が結びつかなくなる可能性があります。


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