ログイン ログアウト 登録
 外国ルーツの子供たちに日本語を教えるには、漢字を教えるよりも、まず、ふりがなつきの文章を読ませることを中心に Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 5080番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
外国ルーツの子供たちに日本語を教えるには、漢字を教えるよりも、まず、ふりがなつきの文章を読ませることを中心に as/5080.html
森川林 2024/05/25 07:25 

マツバギク




 外国人が日本語を覚えるときに、いちばんネックになるのが漢字だと思われています。
 確かに、常用漢字2000字は、普通の大人の日本人であれば楽に読めますが、日本語を知らない人にとっては、それが大きなハードルになってしまうように思えます。

 しかし、ここで大事なことは、日本語を教える教育の方法です。
 教えることを先に考える人は、まずネックになっている漢字や個々の単語や文法を教えようとします。
 これが、間違いなのです。

 野口悠紀雄さんは、学習の基本として、まず全体を学ぶということを述べています。
 これが、教育の基本です。


 例えば、文章の読解が苦手な生徒がいたとします。

 分析主義、と敢えて言いますが、分析主義的な教育をする人は、文章を個々の段落に分け、それぞれの段落の内容を理解させようとします。

 それぞれの段落の中で意味のわからない言葉があれば、その言葉の意味を辞書を引いて理解させようとします。

 そして、言葉の意味がわかり、段落の意味がわかり、文章全体の内容がわかるようになると考えるのです。

 これは、最も遠回りな方法です。
 この方法では、文章全体を理解する前に、ほとんどの生徒は文章を読むことが嫌になってしまいます。
 そして、読解力は身につきません。

 本当の教育法は、その文章を丸ごと何度も繰り返し読むことなのです。
 国語読解クラスの勉強の基本は、問題集の問題文を繰り返し読む学習法です。
 それで、本当の読解力がつくのです。

 漢字を覚えさせたり、個々の言葉の意味を覚えさせたりするのは、分析主義的な教育法です。
 それは、教える側の発想であって、学ぶ側の発想ではありません。

 日本語を学ぼうとする子は、まず日本語の全体を学びたいと思っています。

 そのための方法は、ふりがな付きの日本語の文章を読むことです。
 その文章が、面白い内容であれば、子供はどんどん読み進めます。
 そして、自然に日本語をマスターするのです。


 毎日小学生新聞5月23日号の記事に、「外国ルーツの子に漢字を」という記事が載っていました。
 この試みをしているNPO法人の人たちの志は尊いと思います。

 しかし、教育の基本は、分析主義的な方法ではなく、まず全体から入るという方法であるべきだと思ったので、敢えてこの記事を書きました。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
外国人と日本語(4) 

コメント欄

コメントフォーム
外国ルーツの子供たちに日本語を教えるには、漢字を教えるよりも、まず、ふりがなつきの文章を読ませることを中心に 森川林 20240525 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
りるれろ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「りるれろ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
外国人と日本語(4) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習