ログイン ログアウト 登録
 国語力はテクニックでつける前に、読む力をつけることが大事。そもそも何のために勉強しているのかという原点を考える Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 5091番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
国語力はテクニックでつける前に、読む力をつけることが大事。そもそも何のために勉強しているのかという原点を考える as/5091.html
森川林 2024/06/06 03:49 

ナンテンのつぼみ



 学校で行われる国語の問題は、易しいものが多いです。
 難しい面があるのは、国語の問題が先生の趣味で出されている場合があるからです。

 受験の国語は、長文を読ませるものが多くなります。
 学校の国語とは、レベルが違います。

 その受験の国語を解くテクニックというものが紹介されていました。
====
「国語ができない子ども」他の科目も伸び悩む根拠
英語・社会・数学…国語はすべての科目に通じる
https://toyokeizai.net/articles/-/757205?page=7
(読む必要はないです。)
====

 タイトルはいいのですが、中身は、単なる解き方のテクニックです。
 例えば、こういう説明です。
====
選択肢の中に「絶対」「例外なく」「必ず」なんて表現があったら、それは断定的な表現なので、×になることが多いです。
====
 このようなレベルで解ける国語の読解問題というのは、「ちょっと難しい」という程度の国語問題です。
 こういうテクニックを覚えても、国語の力はつきません。


 もうひとつ、こういう記事もありました。
====
【超人気国語講師が教える】子どもの「国語力」をあげるために親がすべきことベスト・1
https://news.yahoo.co.jp/articles/05647ab61955a56a8132aa5dbeefd17973f18114
(これも、読む必要はないです。)
====

 この記事には、こういうことが書いてあります。
====
 ちなみに、「本を読まない子」でも中学受験の国語は突破できます。
 お子さんが読書をしないということで心配される親御さんが多いのですが、中学受験の国語に関しては、「教材」をしっかり勉強すれば充分合格できます。
 中学入試では「1万字を読む力は必要」とされていますが、これはおよそ新聞の1面に相当する文字数です。
 さきほどお伝えした「言葉に触れる環境作り」でこのレベルにまで到達していれば、「中学受験の国語」を戦う土台はあると考えてOKです。
 あとは講師がしっかりテクニックを教えれば結果はついてきます。
 「1万字を読む力」は育むべきですが、「数万字の本を1冊読み切る力」はマストではありません。
 お子さんが読書することはもちろんよいことですが、読書体験を重ねることが国語力アップの最短ルートではないという点は意識したほうがいいでしょう。
====

 この記事を書いている人は、国語力不足に悩んでいるお母さんやお父さんを安心させてあげたいという気持ちで書いていると思うので、いい人だとは思います。


 しかし、私がいつも疑問に思うのは、子供が何のために勉強するのかという原点が、「成績を上げるため」や「受験に合格するため」になっていることです。

 大事なのは、子供が人間として成長することです。
 その途中の過程で、成績を上げることや合格することが目標になります。
 もちろん、受験のときには、それは当然目標になっていいのです。

 しかし、本当に大事な国語力とは、考える力をつけること、感じる心を育てること、表現する力をつけることです。
 これらの国語力が、国語以外の、数学、英語、理科、社会の勉強にも生きてくるのです。

 そのためのいちばんの近道は、読書と対話と作文です。
 そういう近道が遠回りだと思って(変な言い方ですが)、解き方のテクニックを先に考えるのでは、道の行く先が違ってきます。

 解き方のテクニックなどは、ほんの数時間で身につきます。

 私が昔、高校3年生の子供たちに、大学入試共通テストの解き方を説明したときは、数時間の説明で、次の週からほとんどの子が、平均点から満点近くになりました。

 中学3年生の国語が苦手という子に、国語の解き方も教えたときもそうでした。
 その子は、そのうち国語がいちばん得意と言うようになりました。

 しかし、本をあまり読んでいない子は、解き方のテクニックを教えても、ある程度の点数までしか成績が上がりません。
 解き方のコツがわかっても、もともとの読む力がないと、ある段階までしか成績が伸びないのです。

 では、読む力をつけるためには、どうしたらいいかというと、それは難しい説明文や意見文の本をばりばり読むことなのです。

 「読書をしなくても国語の成績は上がる」というのは、少しは上がるかもしれない、ということです。
 こういう安易な記事に惑わされずに、本道の勉強をしていくことが大事です。
 本道の勉強とは、難しい文章をしっかり読むことです。


 もうひとつ、面白い記事がありました。
====
子どもの読解力は家族との会話の中で養われる
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/06/post-104669_3.php
(特に読まなくてもいいです。)
====

 対話と国語力には、幼児期や小学校低中学年の時期には、特に高い相関関係があります。

 小学校低学年の子供たちの作文課題は、自由な題名です。
 小学校中学年の子供たちの作文課題は、身近な事実文です。
 この時期に、その作文の準備として、親子でたっぷり話をするのです。

 その話とは、親の体験談をおもしろおかしく話してあげることです。
 だから、お母さんやお父さんの小学校時代の失敗談などを話してあげるといいのです。

 この親子の対話の中で、子供たちの語彙力と思考力が育っていきます。
 それが、その後、中学生や高校生になってからの子供の読書力につながっていくのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 

コメント欄

森川林 2024年6月6日 8時21分  
「国語力をつけるために、特に読書をする必要はない」という耳あたりのいいことを言う人がいます。
 その国語力とは、結局、国語の成績を上げたり、受験に受かったりするためだけの国語力です。
 そんな国語力は、社会に出てから、何の役にも立ちません。
 本当の国語力は、難しい本をしっかり読むことでつくのです。

コメントフォーム
国語力はテクニックでつける前に、読む力をつけることが大事。そもそも何のために勉強しているのかという原点を考える 森川林 20240606 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
へほまみ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「へほまみ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習