●書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す —
書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。
● 社会問題の主題 —私はAが問題だと思う—
今日の社会の問題として主題を考えていくことです。書き方は、「……が問題だと思う」というような形になります。
「現代の」「日本の(自分が今住んでいるところの)」問題として考えていくと、問題意識が鮮明になります。「いつの時代かわからない」「よその国の」問題として考えずに、今の自分の問題として考えていきます。したがって、その問題も、他人事の問題として傍観者的に考えるのではなく、自分も当事者である現代社会の問題だと考えていく姿勢が必要になります。
● 複数の原因一 —…の原因としては第一に—
社会問題などを主題としたときの展開部分の書き方です。 原因の考え方は、横軸として社会的原因を、縦軸として歴史的原因を考えるようにするとバランスのよい展開になります。
例:(日本人はなぜ横並び意識が強いのかという問題について)第一の原因は、島国というところから来る同質集団の性格で、つい周囲の目が気になるということがあるのではないだろうか。例えば……。
● 複数の原因二 —…の原因としては第二に—
社会問題などを主題としたときの展開部分の書き方です。 原因の考え方は、横軸として社会的原因を、縦軸として歴史的原因を考えるようにするとバランスのよい展開になります。
例:(日本人はなぜ横並び意識が強いのかという問題について)第二の原因は、日本人が歴史的に農耕民族であったことによる。農耕は狩猟と異なり、集団で一斉に行動することを要求される場面が多い。例えば……。
● 体験実例 —自分らしい体験実例を書く—
原因を裏づける体験実例を書いてみましょう。
● ユーモア表現 —ユーモアのある表現(笑)—
読み手を笑わせるような表現を入れます。自分の失敗談を書いたり、物事を大袈裟に書いたりするとよいでしょう。
● 反対意見への理解 —確かにBもよいが、しかしAが—
四段落構成の結びの四段落目に、自分の意見とは反対の考えに対する理解を入れて書きます。 およそ意見というものは、どんなに正しいように見えても必ず反対の立場というものがあります。中学生や高校生のころはまだ視野が狭いので、自分が心から正しいと思っている意見を書くときは、反対意見を全面否定するような形になることが多いものです。 しかし、意見は一方的に書けば書くほど説得力を失う面があります。自分がどれほど正しいと思った意見でも、結びの段階で反対意見への理解に言及するようにすると、かえって説得力が増してきます。 反対理解を書くことは、意見文の鉄則です。 書き方で注意することは二つあります。 一つは、反対理解をじっくり書きすぎると、意見が分裂したような印象になることです。反対理解は必要最小限にとどめてさらりと書くことが必要です。 もう一つは、弱い反対理解を書いて済ませてしまう場合や、反対意見への理解ではなく反対事実の紹介で済ませてしまう場合があるということです。 例えば、弱い反対意見の理解の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにくだらない漫画を読みたくなる気持ちもわかるが……」というような書き方です。漫画がよいという積極的な意見への理解ではなく、消極的な意見への理解になっています。 反対事実の紹介の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにおもしろい漫画もあるが……」というような書き方です。 キーワードは、「確かに」ですが、ほかに「もちろん」「なるほど」「もっとも」なども考えられます。
● 自作名言 —…はAでなくBである —
自作名言とは、自分で作った名言です。本当は、これがいちばん大事なのですが、最初から「自分で名言を作る」と言ってもわかりにくいので、中学生のころは、名言集から名言の引用を行なって練習をしています。
名言は、「○○はAでなくBである。」というかたちの文です。名言集の多くの名言も、このようなスタイルを持っています。「出口のないトンネルはない」→「人生はトンネルのようにどんなに暗く見えようとも、行き止まりではなく、必ず出口がある」。「民主主義は教科書には書かれていない」→「民主主義は、教科書のように既にできあがったものではなく、自分たちで日々作っていくものだ」。
Aは世間で一般に思われている常識、Bは逆説に見える真理、という位置づけです。かたちだけ「○○はAでなくBである」と書いてあっても◎にしますが、「夏は、寒いのではなく、暑い」のように当たり前のことを書いている場合は、名言ではありません。
名言の効果が出るのは、文章の結びの5〜10行です。できるだけ結びの5行に、決めの言葉を書いていきましょう。
● 75分以内 —書き始めから書き終わりまで75分で—
長文を読む時間、構成メモを考える時間などは入れずに、書き始めから書き終わりまでを75分以内で書いていきます。 時間のかかる人は、全体で75分とだけ考えずに、段落ごとに途中経過時間の目安を決めておきましょう。
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