ログイン ログアウト 登録
 小3の感想文指導のポイント Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 703番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/23
小3の感想文指導のポイント as/703.html
森川林 2009/12/06 10:47 


 小3の保護者の方から、感想文の添削についてご質問をいただきました。

 その内容は、「中心を決めることと、似た話と、結びの感想が一貫していないのに、いいところを褒めるだけの指導でいいのか」というものでした。

 こういう疑問は、多くの方が持っていると思いますが、実は「それでいいのです」というのが答えです。

 その理由は二つあります。

 第一は、小3、小4では、感想文の本格的な指導はまだ無理だからです。

 感想文の指導が意味を持つのは、小5からです。このころになると、全体の構成や主題を考える力がついてくるので、先生が説明したことを自分なりに理解して書いていくことができます。しかし、小4までは、先生の説明を消化するだけの年齢になっていないので、先生に言われたとおりに書くぐらいまでしかできません。

 では、なぜ小3や小4で感想文の指導をするかというと、それは小5になって感想文を書くために、その形に慣れておくという準備をするために書いているのです。

 第二は、よりよい文章を書くために先生が直す指導に力を入れると、その直す指導が子供の理解力を超えている場合、苦手意識を育てることにしかならないからです。

 よく作文指導に熱心な先生のクラスの生徒の多くが作文に苦手意識を持っているということがあります。それは、先生が熱心に直す指導をし、その一方で上手な子の作文だけを褒める指導をするので、大部分の子が作文を苦手に思うようになってしまうのです。

 では、単に褒めるだけの指導でいいのかと言えば、そうではありません。褒めるだけの指導は、直す指導よりもずっとよいのですが、褒め続けているだけでは進歩がありません。

 褒める指導にセットしておくものは三つあります。

 第一は、自習で力をつけていくことです。暗唱や読書によって読む力がつき語彙力がつけば、先生の説明を自分なりに生かすことができるようになります。褒めることと自習をすることは勉強の両輪のようなものです。

 第二は、できた作品を褒める一方で、次回の作文や感想文の準備をすることです。特に、感想文は事前の似た話の準備が重要です。長文を読んで、自分で似た話を考えるとともに、家族に取材して似た話を集めます。すると、感想文の内容が見違えるほど充実してくるのです。

 言葉の森の指導の特徴は、事後添削ではなく事前指導です。書いた作品について赤ペンを細かく入れても、作文力は上達しません。書き出すまでに準備をして、先生が事前に電話で重要なポイントを言う、という書く前の指導がいちばん重要なのです。

 第三は、中高生になるまでの発展を見越したシステムで勉強することです。小学生の作文を小学生の時代だけ上手になればいいと考えると、どうしても生活作文をくわしく描写的に書くことに終始しがちです。小学校低中学年で上手な作文を書くことが目的なのではなく、書く力そのものを伸ばして、中学生や高校生になったときに立派な説明文や意見文を書けるようにすることが勉強の目的です。

 小3の生徒の中には、題名課題は難しいから嫌だとか、感想文は難しいから嫌だという生徒がよくいます。しかし、そういう子供たちでも、作文が勉強の一つなのだという話をすると、難しいけどがんばるという姿勢で取り組んでくれるようになります。そして、事前の準備に力を入れて、お父さんやお母さんに似た例などを取材してくると、すばらしい作文が書けるようになるのです。

 褒める指導を中心にしつつ、毎日の自習で読む力をつけ、先の展望を考えて勉強を進めていく。これが作文、感想文の勉強で大事なポイントです。



コメント欄

コメントフォーム
小3の感想文指導のポイント 森川林 20091206 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
せそたち (スパム投稿を防ぐために五十音表の「せそたち」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 生徒父母向け記事(61) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン