ログイン ログアウト 登録
 物語文の国語力は、共感して読む力 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 708番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
物語文の国語力は、共感して読む力 as/708.html
森川林 2009/12/14 22:27 


 ときどき、国語の成績のことで相談を受けることがあります。先日も、子供の国語の成績が悪いというお母さんから、悪かったというテストのファクスを送ってもらいました。そのテストを分析して、電話でお母さんに話し始めると、「実は、私はまだその問題を読んでいないのです」という話でした。

 このように、ほとんどのお母さんが、テストの点数だけを見て、中身を見ていないということがあります。模試などでは、分野別に漢字が何点、物語文が何点、説明文が何点などと分けて表示してくれるものもありますが、そういう表面上の分析よりも、まず親が中身を自分の目で見る必要があります。

 これは、国語に限らずほかの教科についても言えることです。また、入試についても、模試の偏差値などよりもずっと確実にあてになるのは志望校の過去問の出来具合です。点数のように加工されたデータに左右されるのではなく、もともとの生のデータに直接当たってみることが大切なのです。

 さて、ほかの教科はよくできているのに国語だけがおもわしくないという場合、意外と多いのが時間不足という原因です。前半がよくできているのに後半に×が多いという場合は、明らかに時間不足です。

 国語力のある子は、問題文を気合いを入れて一回だけ読み、設問にも一発で答えるような解き方をします。国語力のない子は、何度も繰り返し読むような読み方をするので、どうしても時間が不足してくるのです。

 問題文の読み方には、コツがあります。一つは傍線を引きながら読むことです。印象に残ったところに線を引いて読んでおくと、再読する必要があったとき必要な箇所がすぐに見つかります。
 もう一つは、特に物語文を読むときのコツですが、その物語に没入し状況をありありと実感しながら読むことです。こういう読み方をすると、微妙な設問に対しても問題文にいちいち戻らなくても答えることができます。

 速く読む力、共感して読む力は、国語の勉強によってではなく、読書の経験によって作られます。小学校の中学年までは、勉強よりも読書を優先した方がいいというのはこうした理由からです。
 大学入試センター試験などでも、説明文の読み方と物語文の読み方はちょっと違います。説明文は、知的に理解して読んでいけばいいので、ある意味で内容を要約しながら読むような読み方で読んでいけます。

 しかし、物語文はあらすじをまとめながら読むものではありません。その物語が描いている場面に入り込み、自分もその物語の中を生きているような感じで読むものです。そのような読み方をすると、登場人物の微妙な心情も手に取るようにわかってきます。そして、この読み方は、まさしく読書によって培われる読み方なのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 

コメント欄

コメントフォーム
物語文の国語力は、共感して読む力 森川林 20091214 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
こさしす (スパム投稿を防ぐために五十音表の「こさしす」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習