ログイン ログアウト 登録
 国語の力は、低学年からの国語的な生活の中で Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
Onlineスクール言葉の森・サイト Onlineスクール言葉の森
記事 772番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
国語の力は、低学年からの国語的な生活の中で as/772.html
森川林 2010/02/09 05:03 



 幼稚園から小学校1、2年生のころの子供は、親の言うことをよく聞きます。しかも、この時期は模倣の時代なので、与えられたことは何でもどんどん吸収します。

 しかし、だからといって、いろいろな勉強や習い事をやらせすぎると、時間ばかりとられて結局何も身につかないことになってしまいます。

 子供による向き不向きはありますが、共通して一つだけ大事なものを挙げるとすれば、それは国語力をつけることです。


 では、国語力はどのようにして身につけるのでしょうか。

 小さいころの国語力は、聞く力、読む力、書く力の順番でつけていきます。なぜ、この順番になるかというと、聞く、読む、書くの順で勉強的になるからです。また、聞く、読む、書くよりも勉強的なのが問題を解くことです。

 勉強的なものは、どうしても量が不足します。聞くこと、つまりおしゃべりであれば、時間がたつのも忘れて熱中することができます。読むことも同様です。寝る時間になっても、読むのをやめられないというのはだれでもあります。書くことに関しては、我を忘れて書くというのは学年がもっと上がったときの話で、小さいころは書くことに熱中することはあまりありません。問題を解くことは、更に熱中できません。


 子供たちは、起きている時間のほとんどを国語的に生きています。つまり、日本語によって感じたり考えたりしながら生きています。その膨大な国語的な生活時間の中で、たかだか15分や30分ドリルをやったからといって、国語力が向上するわけではありません。

 国語力のある子は、問題集を解くような勉強などしていません。日常生活における国語的なやりとりが充実しているから自然に国語力がついているのです。


 では、国語的な生活を充実させるためには、どうしたらいいのでしょうか。


 よく言われるのは読み聞かせです。読み聞かせをたっぷりされて育った子は、国語力も思考力も向上します。

 しかし、読み聞かせのいちばんの問題は、親の負担が大きいことです。親も日々の生活でくたびれているので、毎晩子供のために、自分にとって興味のない本を10分も20分も読んであげるというのは難しいことも多いのです。

 そこで、おすすめするのが、読み聞かせではなく、お母さんの作った千夜一夜物語を聞かせてあげることです。人間は、創造的なことをしているときにはくたびれませんから、本を読んで聞かせてあげることよりも、お母さんがアドリブで作った物語を聞かせてあげる方がずっと長く話ができます。全部アドリブでやるほどの材料がないという場合は、種本を読んでおいて、それを思い出して話をすることもできます。日本にはたくさんの昔話がありますから、材料には事欠きません。昔話以外に、歴史上の人物の伝記やエピソードなども面白い材料になります。


 しかし、読み聞かせは、夜寝ながらすることが多いので、あまり長くはできません。読み聞かせよりも大事なのが、日常の会話です。

 日常の会話は、親も楽しみながら話すことができます。大事なことは、

1、ちょっと難しめの言葉も入れて、

2、短い文ではなく、長い文で、

3、単文よりも、複文や重文で、

4、楽しく、面白く、

話をすることです。


 会話というと、大人はすぐに自分の知識を披露するような一方的な話をしがちです。子供に、「ねえ、豆まきって知っている? あれはね……」というような自分の知っている知識を伝えるような会話になってしまうと、話が弾みません。結論を出すことが目的なのではなく、会話を楽しむことが目的なのですから、その場で考えながら創造的に話をする必要があります。

 創造的な話と同じように面白いのが、親の体験に基づく失敗談や自慢話です。こういう話でしたら、親も話していて楽しいし、子供も聞いていて楽しくなります。この楽しい会話の中で、少し難しめの言葉も入れて、短い文よりも長い文で、単文よりも複文や重文を入れて話すようにすれば、それが問題集を解くよりもずっと効果のある国語の勉強になっているのです。



コメント欄

kariyoの母 2010年2月9日 6時27分  
記事にしていただき有難うございます。
勉強が出来るようにと取り組を重視するあまり、我が家は会話量が少ないのかもしれません。
一学年先取り学習、数検漢検、勉強させることに我武者羅で、年長まで継続してきてしまいました。
情報に振り回され、良いと言われるものは取り入れ、芯の無い教育方針となってしまった感があります。
情報に振り回されず、何が正しいく娘に必要と判断できる親でありたいのですが、なかなか難しいです。


森川林 2010年2月9日 9時33分  
 手をかけてあげたことは決して無駄ではないです。
 しかし、それは勉強の中身が身についたということよりも、親が手をかけることによって子供が親の愛情と関心の中で育つことができたということの方で、より価値があるのだと思います。

 最低限の基準として、子供ができるだけ笑ったり喜んだりしている時間を増やすということだけを押さえておけば、あとは試行錯誤でいろいろやってみるしかないです(笑)。
 幸福に生きるための手段の一つとして勉強があるのですが、今の社会では子供自身が勉強を最大の目的にしてしまうところがあるので、時々軌道修正をしながらやっていくといいと思います。

コメントフォーム
国語の力は、低学年からの国語的な生活の中で 森川林 20100209 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
いうえお (スパム投稿を防ぐために五十音表の「いうえお」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 国語力読解力(155) 小学校低学年(79) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン