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作文の勉強によって何が身につくか as/860.html
森川林 2010/04/10 12:08 


 作文力は、国語力の頂点なので、国語に必要な要素はすべて作文の中に含まれます。漢字力も、読解力も、表現力も、作文の中に表れます。しかし、それは、作文を書くことによって漢字力や読解力がつくということではありません。作文を見ることによって、漢字力も読解力もわかるということです。読解力は、作文を書くだけで身につくわけではありませんが、言葉の森の作文指導では、暗唱の自習や感想文の指導などがあるので、それらの読む練習によって読解力がつくようになっています。

 作文によって身につくものは、第1に表現することの喜びです。日本には、万葉集文化、日記文化などの、発表する文化や記録する文化がありました。ブログの発信数でも、日本では世界で最も盛んな国のひとつになっています。作文を書くこと自体がひとつの喜びになるという文化がが日本にはあるのです。

 作文によって身につくものの第2は、構成力です。自分の考えをまとめる力と言ってもよいでしょう。構成力がつくと、本を読むときもその内容を構造的に読み取ることができます。会議などで話を聞くときも、多数の意見を構造的に整理することができます。作文力があると、会議の司会も上手に進行できるようになります。

 第3は、文章を速く長く上手に書く力です。これは、作文の試験などに生かせるとともに、将来社会に出て文章によって人に何かを伝えるときに役立つ力です。文章を書くことに慣れていると、書くことが苦にならないばかりでなく、書くことによって他の人の考えにも影響を及ぼすこともできます。

 第4は、創造する力です。OECDの学力調査で、日本の子供は、自由記述に弱いという結果が出ました。答えのはっきりした正誤問題はできるが、答えのはっきりしていないものを自分なりに考えて表現する力が弱いということです。作文を書くというのは、未知のものに形を与えてゆく作業です。この創造力が、作文によって身につくものの中で最も大事なものと言ってもよいかもしれません。

 創造力を育てるという点から考えると、作文は、構成図を使って考えを深めるというところに、ひとつの重要な本質があることがわかります。構成図で考えた内容を文章に書き表すために作文があるというふうに考えることができます。また、構成図を書く際の発想を豊かにするために暗唱の練習があり、書くための材料となる生きた知識を増やすために、付箋読書や問題集読書や四行詩があります。そして、その作文を速く書き上げるために、音声入力などの技術があるという関係になっています。

 言葉の森の作文は、国語の成績を上げることや、作文試験に合格することにも役立ちますが、それ以上に、創造力をつけることに役立つ作文なのです。



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コメント欄

おはろ母 2010年4月11日 20時41分  
上の4つの力はどれも社会に出て必要なことだと思いますが、表現することの喜びを知ってほしいと親として願っています。私の業界(内科医です)では競争社会が続くのはせいぜい30歳くらいまででそれ以降は自分の満足するコースを自分でみつけていかなくてはいけません。目標を見失って意欲をなくしてしまう同級生もいます。どのようなコースにすすんだとしても、自分の意見を表現し、それを認めてもらえる居場所を持つことが満足につながるように考えます。


森川林 2010年4月11日 20時44分  
 コメントありがとうございます。
 そうですね。いちばん大事なのは、書きたいことがある、言いたいことがある、したいことがある、ということなのでしょうね。
 毎朝、起きるのがうれしくてたまらないという人生を送るのが理想なのだと思います。

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