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小学生のうちだけの作文ではなく、中学生、高校生と続けられる長期的な視野の作文指導(その7) as/1239.html
森川林 2011/04/19 02:50 



 言葉の森の作文指導の特徴は、小学生から始めて、中学生、高校生と一貫して作文の勉強を継続できるシステムになっていることです。実際に、小、中、高と休まずに続ける子もいますし、途中でいったん休会して、しばらくしてまた再開する子もいます。

 最近よくあるのが、小学生のとき受講していて、中学生になり塾や部活が忙しくなったためにいったん退会したあと、高校生で大学入試の小論文があるために再開するというケースです。「小学生のときに教わった○○先生で、また教えてほしい」などということがよくあります。

 言葉の森の作文指導は、小学校1年生(又は幼稚園年長)からスタートして、中学生、高校生へと進んでいきます。小学校低学年のころの課題は簡単なので、よくできる子供の保護者の中には、もっと難しいことを教えてほしいという人もいます。しかし、言葉の森では、低学年のころには難しいことはあまり指導しません。難しい課題は、あとでいくらでも出てくるからです。

 言葉の森の高校生の作文の課題は、そのまま、国立大学の後期の小論文試験や、早稲田大、慶応大、上智大などの小論文試験の課題と同じかそれ以上のレベルです。そして、そういう大学に毎年何人かが必ず合格しています。しかも、その小論文指導のわかりやすさとレベルの高さは、たぶんどこの予備校の指導よりも上回っていると思います。

 言葉の森の作文指導は、そういう将来の展望のある指導です。決して、小学生の時期に小学生レベルの作文が上手に書ければいいというのではありません。小学生が、中学生、高校生と続けていったときに、次第に思考力の必要な作文を書くということを念頭において小学生の段階から指導しているのです。

 小学生の作文の勉強を考える場合、そのように高校生までのつながりのある勉強ができるかどうかがひとつの基準になります。つまり、その作文教室、又は作文通信講座で、高校生まで勉強を続けられるかどうかということです。

 言葉の森では、子供たちが社会人になったときのことを考えて作文の指導を行っているので、小学生のころに上手に書かせる工夫をするよりも、将来に役立つ思考力の必要な作文を書かせるようにしています。



 言葉の森は、作文指導を、単なる教育としてではなく日本の文化のひとつとしてとらえています。だから、子供たちの作文は原則としてできるかぎりサーバーの中に蓄積しています。

 将来、小学生のころに受講していた子供が成長し、父親や母親になったときに、「うちの子も、小1になるから、そろそろ言葉の森でも始めようか」という話になることがあると思います。そのときに、ホームページをのぞくと、昔の自分のコードとパスワードで、父親や母親が小学1年生だったころに書いた作文が読めるという仕組みを考えています。

 こういう世代間のつながりが広がれば、日本が本当に知的な文化国家として世界に登場することになるでしょう。小1のときの作文を親子で共有できる国は、日本以外にはありません。小学1年生で作文が書けるのは、音声と文字の一致したひらがなという独特の言葉を持つ日本語だけの特長だからです。

 言葉の森が、小、中、高と一貫した作文指導を続けているのは、作文教育を日本の作文文化に発展させ、日本を、豊かな知性と創造性と、家庭での対話と共感のある国にしたいと考えているからでもあるのです。

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最近のブームにのった作文通信講座ではなく、30年の伝統のある作文指導(その6) as/1238.html
森川林 2011/04/18 12:05 

かわいそうな本に感動しながら↓感想文を書いているところ。


 言葉の森がスタートしたのは1980年代ですが、それ以前に言葉の森の前身となる作文教室は1970年代に始まっていました。

 当時は、もちろん作文教室などというものが何もなかった時代です。そのころに、既に作文教育の可能性を考えて創設されたのです。「作文教室」という名前で、当時の雑誌に広告を出したのは言葉の森が初めてでしたから、日本でいちばん古い作文教室だと言ってもいいでしょう。言葉の森は、今のように入試で作文試験や小論文試験が出されるようになってからそれに間に合わせる形で作られたのではありません。

 しかし、言葉の森は、ただ年数が古いというだけではありません。言葉の森が、日本の作文教育の骨格となる概念を作り上げてきた面もあるのです。

 今、さまざまな作文通信講座や学校や学習塾で行われている作文指導の中で、言葉の森が作ったものがかなりあります。例えば、夏休みの読書感想文の指導法は、言葉の森が雑誌でくわしく発表するまでは、系統的な指導というものはほとんどありませんでした。

 また、作文の要素を、構成、題材、表現、主題、表記などと分け、それぞれについて指導する項目を指定するという指導も、言葉の森が独自に考案したものです。

 また、作文の自動採点ソフト「森リン」を独自に開発して特許を取得し、それを中学生、高校生の作文指導に活用しているのも言葉の森だけです。



 こういうさまざまなオリジナルな方法によって、それまでのただ書かせて添削する指導から、事前に説明して書かせる指導に作文教育の指導法が向上しました。

 言葉の森は、このほかに、構成の仕方に関する工夫、表現の仕方に関する工夫、題材の広げ方に関する工夫など、多くのノウハウを開発しています。そして、今も独自の指導法を開発し続けています。例えば、暗唱の方法、付箋読書の方法、問題集読書の方法、四行詩の方法など、新しいノウハウを独自に開発して、だれもが使えるようにオープンに提供しています。

 言葉の森の特徴は、ほかの教室に真似されることはあっても、決してほかの教室の真似はしないというところにあります。この独創性を大切にする教室文化が、作文というやはり独創性を大切にする学習を30年間も継続して指導してきた要因になっています。

 作文の需要があるから作文教室に取り組むという経営的な動機ではなく、需要があってもなくても、自分の目指すことを続けるという路線で、これからも作文指導を通して日本の教育を支える仕事をしていきたいと考えています。

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