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センター試験必勝法。そしてセンター試験のあとに来る本当の勉強 as/2040.html
森川林 2014/01/15 06:41 



 センター試験の問題は、どの選択肢が合っているかという根拠を探すと能率が悪くなります。
 どの選択肢が間違っているかという根拠を探し、その結果間違っていないものが合っているとと考えれば短時間で正解率が上がります。

 言葉の森のセンター試験国語の解説のページに、微妙な質問がありました。
https://www.mori7.com/index.php?e=365

====引用はじめ

質問:
 小説の5問目で、(4)「ひたすら家財の焼却を続けた父」という記述が本文のどこにあるのか教えてもらえませんか。本文中の「最後の焚火を燃やすことに父は夢中になり」には具体的に何を燃やしているのか書かれていませんし、「ガラクタ」は「家財」ではないと思うのですが。

私の回答:
 確かに、燃やしたのは、「家財」ではなく「庭に集めた塵芥」です。だから、この選択肢は、◎というよりも?です。
 しかし、その塵芥には、前の文にあるように、「(両腕にかかえてきた)電球」も含まれているようですし、その後の文にあるように「物凄い黒煙」を出すものなので、これを「(塵芥となった、かつての)家財」と考えてもいいのではないかということです。

====引用おわり

 ここまで厳密に読んでいるこの質問者は、センター試験国語の現代文は満点に近いと思います。

 そして、国語でこのコツがわかれば、これは英語の選択問題にも当然あてはまります。
 逆に言えば、この読解の仕方がわからなければ、英語がいくら得意でも高得点にはなりません。
 だから、高校3年生では、国語力が英語力を支えているのです。


 しかし、ここで私は思うのです。
 こういう問題を作る人の苦労を思いつつ、もうこのような試験問題はやめたらいいのではないかと。

 インターネットを利用すれば、定員の制限なく、誰でも自由に自分の好きな学問ができるはずです。
 選択肢のアラを探すような不毛な勉強を高校生にさせるのではなく、もっと思考力と創造性を伸ばすような教育をする時期に来ています。

 その教育の中心になるものは、読書と作文(小論文)とディスカッションです。
 ディスカッションと言っても、他人を論破することを目的としたディベートではなく、互いの考えを認め合う対話です。

(作文と小論文は違うと言う人がときどきいますが、どちらも同じです。事実にウェイトが置かれているものが作文で、意見にウェイトが置かれているものが小論文です。エッセイなど、その境界が曖昧なものもあるので、全部まとめて作文という言葉でいいと考えています。)

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小学校低学年までは日本語を確実に。日本語の特徴は母音言語 as/2039.html
森川林 2014/01/14 07:35 


 「嬉しいなあ」と言っていると、本当に嬉しくなってきます。それは、なぜかというと、日本語の母音言語の性質は、感情に働きかけることにあるからです。
 欧米の言語文化で育った人は、虫の声を雑音としてしか聴きません。だから、雑音で感情が動かされることはありません。雑音は無視していればいいので、聴こえていても聴こえていないのです。

 欧米では、人間の言語だけが聴くに値する音声で、それはもっぱら理解するための言語です。
 日本語では、虫の声が感情に響いてくるように、人間の声も理解だけではなく感情を伴って入ってきます。心と言葉が一致しやすいのが日本語です。

 この日本語脳が形成されるのが、ちょうど小学1年生から小学3年生にかけてだと言われています。
 ところが、こういう科学的研究が遅れているために、小学校の低学年までの時期に英語漬けの教育をしてしまうことがあるのです。

 英語が堪能かどうかということは、これからの社会ではますます重要ではなくなります。
 早期の英語教育をする必要は全くありません。

 外国語の学習は、日本人の場合は小学4年生以降が最適だと考えられています。
 しかも、それは中学英語の先取りのような勉強的な英語ではなく、英語の本を読むような英語に慣れる教育として行われる必要があります。

 小学校低学年の時期に子供を海外で育てる家庭や、父親と母親のどちらかが日本語以外の言語である家庭では、生活の中での日本語教育に、より一層の力を入れていく必要があると思います。

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森川林 20140114  
 では、今、日本で英語教室などをやっている人はどうしたらいいかというと、ひとつは小4からの英語教育に力を入れることです。
 そして、もうひとつは、外国人に日本語を教えることを仕事の中に組み込んでいくといいと思います。

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