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音読の文章の種類について――子供が毎日自分でできる説明文の音読を中心に as/3805.html
森川林 2019/07/29 06:49 

 音読の文章の種類について、小学1年生の生徒の保護者の方から相談がありました。
 それは、課題フォルダに載っている難しい説明文の文章よりも、学校の教科書にあるような読みやすい文章を音読した方がよいのではないか、というとことでした。

 音読の長文については、読みやすさや内容の面白さというものももちろん大切です。
 しかし、もっと大切なのは音読の習慣をつけるということです。

 言葉の森の課題フォルダの音読の長文には、小学1年生から高校3年生までの長文が載っています。
 小学3年生になると、その音読した文章をもとに感想文を書く練習をするようになります。
 すると、毎日の音読の習慣が、そのまま感想文の課題の週の準備になります。

 音読を毎日の習慣として行うようにするためには、お父さんやお母さんが工夫して学年に応じた音読の文章を探すような手間をかけない方がやりやすいということなのです。

 教科書の文章は、必ずしも音読のために作られているわけではありません。
 中には、音読に適さない章もあります。
 それをそのつどお父さんやお母さんが判断して、子供に指示をしてあげるようになると、お父さんやお母さんに聞かないと音読ができなという場合が出てきます。
 すると、習慣をつけることが難しくなるのです。

 小学1年生のころは、お父さんお母さんが子供の勉強の仕方について、いろいろな工夫をすることができます。
 しかし、習慣化したいものについては、できるだけ毎日のルーティンワークとして、子供が誰にも聞かず自分でやれるようなものにしていくことが必要なのです。

 また、今の子供たちの読書環境は、読みやすい物語文が中心で、説明文の文章を読む機会が少ないという傾向にあります。
 読書に必要な二つの要素は多読と精読で、精読とはゆっくり読むことではなく繰り返し読むことです。
 その繰り返して読む文章として必要なのが、やや難しい説明文の文章なのです。

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森川林 20190729  
 子供が音読をするときにいちばん大事なのは、親が読み方を注意しないことです。
 注意をすれば、そのときは読み方が正しくなってよくなったように見えるかもしれませんが、やがて音読を親の前ですることを嫌がるようになります。
 正しい読み方をさせて、勉強が長続きしないとなれば、そのマイナスの方がずっと大きいのです。


nane 20190729  
 家庭学習は、軽く毎日続けるようにすることが大事です。
 グラフをつけたり、シールを貼ったりすれば、子供は喜びますが、そういう特別なこととしてやっていくと、親の都合でできなくなる日が出てきます。
 「お母さんがいないから、今日はできない」とならないように、親が手をかけなくてもできる体制にしておく必要があります。


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記事 3804番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
子供の教育の目標は成績ではなく個性と実力と不屈の精神を育てること as/3804.html
森川林 2019/07/28 12:18 

 昨日の保護者懇談会で、小学1年生の生徒のお母さんから、将来の勉強の方向について質問がありました。

 「今の受験の仕組みだと、どうしても子供に詰め込みの勉強をさせざるをえない。私(そのお母さん)は中学受験を経験をしてそのマイナスの面も感じているから、子供にはそういう勉強をさせたくないとは思っている。しかし、将来はどうなるかは分からない」というものでした。
 これは、小学生の子供を持つ多くの人が迷っていることだと思います。

 中学受験をするためには、小学校高学年で受験用の詰め込みの勉強をする必要があります。
 受験というのは、もともとそういうもので、詰め込みの勉強しなければいい成績は取れないようになっています。

 だからこそ、この受験によって基礎的な学力がつくとも言えます。
 中学入試の場合の場合、漢字の書き取りの力などが完成します。
 しかし、そのために費やす時間は大きすぎるというところに問題があると多くの人が感じているのです。

 ところで、今の社会では職業は卒業した大学によって決まるところがあります。
 大企業に入るためには、高学歴が必要です。
 安定した大企業に入ることが、その後の安定した生活を支える土台となります。

 しかし、ここで大きく考えを変えていく必要があるのです。
 人生のゴールとして大企業に入るという選択は、今の時点では福利厚生も充実しているし、研修制度も充実しているので、待遇もよくやりがいもある仕事のように見えます。

 しかし、大きな安定したところほど、組織が細分化されていて、全体を見るような仕事がしにくいところがあります。
 また、大企業といえども、今の技術革新の変化の速さの中では安泰ではいられません。
 今すぐどうということはなくても、子供の社会人生活の数十年の間には必ず大きな変化があるはずです。

 すると、中学で受験をするか、高校で受験をするか、大学で受験をするかということはむしろ二の次で、将来子供が自分の力で何事かを成し遂げていくための実力をどうつけていくかということが大きな目標になってくるのです。

 自分で何かをするためには、学ぶ力はもちろん必要ですが、それ以上に、個性があること、決めたことを続ける力があること、他の人と協力ができること、幸福に生きる力があることなどが重要になってきます。

 ですから、受験も、その子を成長させるものとして意味があるかどうかということが大事なのです。
 そのためには、塾に丸投げにせずに、家庭で志望校の研究と子供の得意不得意の分析をして、宿題なども取捨選択してやらせるようにすることです。
 少なくとも、あまり早い時期から塾漬けにするのではなく、できるだけ短期間で集中的な受験勉強をすることです。
 また、受験勉強中にもかかわらず、読書生活は一定の時間を必ず確保しておくことです。

 受験は人間にとって大きな勝負の機会ですが、それはこれから数多くある勝負の一つでしかありません。
 受験で大きな方向が決められてしまうように思う人もいると思いますが、それよりももっと大きな方向というものが本人の個性と実力と不屈の精神というところで決まってきます。

 だから、親は子供にそういう本当の実力と個性と、どんなことにも負けない精神を養うように育てていくことを第一の目標と考えていくといいのです。

この記事に関するコメント
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森川林 20190728  
 昔は、いい学校に入り、いい会社に入り、いい生活を送ることが教育の目標でした。
 しかし、時代の変化が速い今の時代には、そういう構図は崩れつつあります。
 今の教育の目標は、どこにいこうが自分で花をさかせられる人間になることです。


nane 20190728  
 受験に突入した人は、それを第一の目標として取り組んでいくことです。
 しかし、親は常にその先にある本当の目標を考えておくことです。
 長い目で見れば、合否は人生のひとつのエピソードにしかすぎません。
 そういう親の姿勢が、子供の教育にもなるのです。


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