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勉強の目的は、どこかに合格するとか、成績を上げるとかではなく、将来日本を支える子供たちを育てることです。
そのために、思考力、創造力、共感力を育てる教育を行っていくことです。
もちろん、言葉の森で勉強している子供たちは成績が上がり、いろいろなところに合格しています。
「
合格情報」
しかし、それよりももっと先にあるものが大事なのです。
それは、自分の個性を生かして社会に貢献することです。
言葉の森は、最初は作文教室としてスタートしました。
日本で初めて作文指導を始めた教室です。
他のいろいろな作文通信講座などは、すべて言葉の森のものまねです(笑)。
ただ、私は、作文を教えている中で、勉強面でのアドバイスが必要な子がいることもわかりました。
例えば、国語の勉強は、難しい文章を繰り返し読み、読解問題の解き方を身につければすぐにできるようになるのですが、そういうことをせずに、国語の問題集だけを解いているような子が多かったのです。
算数数学も同じです。
1冊の問題集を完璧に仕上げればいいのに、いろいろなプリントを次々とやるような勉強の仕方をしている子が多かったのです。
また、私は、作文と同じように重要な勉強として、個性的創造的な自由な勉強をする必要があると思っていました。
今は、高校で探究学習などが行われるようになりましたが、それをもっと個人ベースで行う必要があると思っていたのです。
2020年にコロナ禍があったことをきっかけに、作文以外の講座を大幅に増やしました。
それが、今の国語読解、算数数学、英語、基礎学力、総合学力、創造発表、プログラミングなどのクラスです。
そして、それらの講座の教え方の特徴として、先生が一方的に講義をするような形式ではなく、子供たちが自分で考え、発表し、質問や感想を述べ合うスタイルの教室にすることにしました。
それが、今のオンラインクラスです。
オンラインクラスの人数は4人から5人です。
こういう少人数で、全員に発表の時間が取れることを生かして、毎週、読書紹介もすることにしました。
この結果、毎日本を読む習慣が新たにできた子も多くなりました。
読書記録のページを見ると、同じ学年なのに、かなりレベルの高い本を読んでいる子もいます。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php (現在16,000件)
(学年のところをクリックすると、その学年の生徒の読んでいる本が表示されます。)
この読書力が、学力の土台です。
小学生は、本当は、勉強などは学校でやっていればいいだけで、あとは家庭で読書と対話に力を入れていくのがいいのです。
読書力のある子は、受験などでいざ勉強を始めるようになるとすぐに成績が上がります。
学力とは、結局日本語で思考する力だからです。
現在の学校教育は、いろいろな面で行き詰まっています。
第一は、集団一斉教育になっていることです。
できる子も、できない子も、同じペースで退屈な勉強を聞かなければなりません。
第二は、生徒を点数で評価し、競争で煽ることが教育の方法になっていることです。
先生の仕事が、生徒に点数をつけて評価をするようなことになっているのです。
第三は、答えのある知識を詰め込む勉強になっていることです。
答えのある勉強は、基本だけができていればいいのですが、生徒に点数の差をつけるために、社会に出てからも必要のない知識を詰め込む勉強になっています。
しかも、教える先生自身がそういうことを自覚していません。
これからは、生成AIの時代です。
先生のような職業は、もう必要なくなります。
だから、授業のような勉強法も必要なくなります。
では、教育において、何が必要になるかというと、基本的な学習は一応するとしても、それ以上に大事なのは、自分の個性を生かし、みんなの前で発表し、他の生徒とのコミュニケーションを楽しむという生きた勉強です。
そのために必要なプラットフォームは、今の学校にはありません。
オンラインで少人数の生徒が交流しながら勉強することが必要なのです。
そして、勉強の内容は、知識の詰め込みの評価のような勉強ではなく、個性的、創造的なものである必要があります。
そういう教育が、言葉の森の作文であり、創造発表であり、プログラミングであるのです。
ただし、国語、算数数学、英語も、勉強の仕方を身につけておく必要があります。
それぞれの講座とともに、それらをまとめてやる講座として、言葉の森では、基礎学力、総合学力、全科学力の講座も作っています。
今の子供たちは、無意味な競争の環境に置かれています。
それは、勉強だけでなく、音楽やスポーツや芸術の世界でも同じです。
音楽やスポーツや芸術は、ただ楽しめばいいものを、順位をつけたり、賞を出したり、勝敗を競わせたりするものになっています。
私は、個人的には、将来、オリンピックのようなものは、いずれなくなると思います。
楽しむためのオリンピックならいいのですが、金メダルを競わせるようなオリンピックは、人類にはもう必要ありません。
参加者全員に金メダルをあげればいいと思います。
金メダルは高いから、月桂冠をあげるだけでもいいです。(お酒ではないです。)
未来の日本の社会を担う子供たちには、知識の競争の教育ではなく個性と創造の教育が必要になります。
これからの言葉の森の展望は、オンライン少人数クラスのプラットフォームを生かして、創造的な少人数のコミュニケーションのある教育を作っていくことです。
コンボルブルス(セイヨウヒルガオ)
私は、昨年の5月に、「
読書感想文コンクールは、たぶん今年で終わる――ChatGPT時代の教育は、新しい形にならざるを得ない」という記事を書きました。
しかし、その年も、やはり読書感想文の宿題を出すところがありました。
また、依然として今年も読書感想文の宿題を出すところがあるようです。
読書感想文の宿題が出たら、気の利いた子供は、ChatGPTで感想文を作って提出しておしまいです。
すると、そのうち、そのChatGPTの作った感想文が入選作品になるでしょう。
それで、混乱して本格的におしまいになるのです。
どうして、こういうことがわからないのかと思います。
読書感想文は、宿題として出すものではなく、授業の中で指導するものです。
宿題としてではなく、授業として行うものなのです。
なぜ、学校で読書感想文を宿題として出すかというと、国語の先生が、授業の中で指導することができないからです。
言葉の森は、もう何十年も前に、たぶん日本で初めて読書感想文の夏期講習を行いました。
そこで、何人もの子が、入選してしまったのです(笑)。
だから、その後、読書感想文の指導は控えめにすることにしました。
それでも、毎年、何人もの子がコンクールに入選しています。
だから、指導の方法はあるのです。
しかし、そのような宿題をこなすための勉強をしても意味がありません。
子供は、ちゃんとした勉強をするべきで、宿題のために勉強するのではありません。
言葉の森は、小3から感想文の指導をしています。
本当は、感想文がしっかり書けるのは、考える力がついた小5になってからです。
しかし、学校などで感想文の宿題が出されたときに困らないように、小3から感想文の指導をしているのです。
夏休みの読書感想文の宿題が出たら、いつも書いている感想文の勉強のパターンで、1日400字を書けば、3日で1200字の感想文が書けます。
しかし、本当は感想文を書くことで苦労して時間を費やすことよりも、夏休みは、自分の好きな本をたっぷり読んでおく方がいいのです。
読書感想文の書き方については、次のカテゴリーの記事を見てください。
読書感想文
ブルーベリー
言葉の森の生徒は、読書をよくしている子が多いです。
しかし、中に、読書が苦手な子もいます。
読書量が少ないと、学年が上がるにつれて成績が低下します。
参考になる記事があります。
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「自分で勉強する子」の親がやっている意外なこと
https://diamond.jp/articles/-/346288
自分で勉強できる子には「読書力」が身についています。活字に対する抵抗感が少なく、自主的な意欲で教科書や問題集に向き合うことができ、書かれている内容を読み解く力が育っています。だから人の助けを借りることなく、自学自習で学力を積み上げていくことができるのです。
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算数数学も、小5以上になり課題が難しくなると、解法を理解するための読解力が必要になります。
読解力がないと、算数数学の問題が解けなくなるのです。
英語も同じです。
説明文の英語になると、日本語の理解力がなければ内容を読み取ることができなくなります。
ただ英語の文章が読めればいいのではないのです。
小学校低学年の読書力は、音読でわかります。
本をすらすら読める子は問題ありません。
つっかえながら読む子は、読書の面白さがわかりません。
ただし、読書力を見るために、子供に音読をさせたとき、もし子供がつっかえながらで読んでいたとしても、その音読を褒めるだけにすることが大事です。
子供は褒められることによって進歩するからです。
音読が普通にできる子の場合、必要なのは読書量を増やすことです。
そのためには、面白い本を与えることです。
ただし、子供が興味を持つからといって、おばけの本や殺人の本のような気持ち悪いものは避けることです。
そういう本は、無明によって子供を引き付けているだけです。
読んで心がすがすがしくなるような本で面白い本を与えることが大事です。
▽「どんな本を読むか。その前に読まない方がよさそうな本」
https://www.mori7.com/as/3312.html
本がよく読める子については、説明文や意見文の本を読む方向に進めることが大事です。
そのためには、図書館のノンフィクションコーナーで、その子の興味のありそうな説明文の本を見つけることです。
アマゾンなどのネットショップでも、「ちくまプリマー新書」「岩波ジュニア新書」などで検索すると、中高生が読むのにふさわしい説明文の本が見つかります。
しかし、子供の読書力がないうちに、難しい本を読ませようとすると、読書量が減ります。
それは、かえってマイナスです。
そのためには、複数の本を並行して読むようにすることです。
付箋を貼って読んでいけば、何冊もの本を並行して読むことができます。
▽「付箋読書の仕方」
https://www.mori7.com/as/1367.html
子供に読書をさせるために費やす費用は、学習のために必要な経費と考えて、倹約などを考えないことです。
図書館で借りて、子供が面白いと言った本は、その本を実際に買ってあげることです。
同じ本を手元に置いておけば、繰り返し読む機会があります。
同じ本を繰り返し読むことが、子供の読書力の質を高めます。
そのためには、家に、子供専用の本棚を作ってあげるといいと思います。
kindleで読む方法もあります。
kindleはどこでも読めます。
また、日中でも夜中でも、歩きながらでも寝ながらでも読めるので便利です。
しかし、本の内容を情報として読む感じなので、1冊を読み終えたという感じがあまり残りません。
いい本は、リアルな本として購入しておくといいと思います。
例えば、ミヒャエル・エンデの「
はてしない物語」の単行本などは、本として家に置いておくのがいいと思います。