ログイン ログアウト 登録
 直すよりも褒める勉強法 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 169番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
直すよりも褒める勉強法 as/169.html
森川林 2007/07/19 10:36 
 低学年の子が書いた作文を見ると、いろいろ直せそうなところがたくさんあります。そこで、大人(親や先生)が直してあげると、すぐにうまくなります。しかし、直して上手にする方法は、一見成果が上がるように見えますが、いくつかの問題があります。
 第一は、直して上手にできるようなところは、年齢が上がれば自然に直るようになるものがほとんどだということです。例えば、「わ」と「は」の区別などは、小学校中学年になればどの子も自然に正しく書けるようになります。それは、文章を読む量が増えるにつれて、自然に身につくものだからです。もちろん、低学年のうちに正しい書き方を教えること自体には何も問題はありません。問題なのは、それを事々しく何十分もかけて教えることです。
 第二は、直す指導を受けると、子供も最初は素直に聞いていますが、次第に憂鬱になってきます。せっかく自分が一生懸命書いた作文の中身のいいところにはほとんど触れずに、間違えたところだけを直されていては楽しいはずはありません。子供は作文を通して、自分の心を表現しています。子供が見てほしいのは、作文の中身の方であって、表現の仕方の方ではありません。
 第三は、直す指導をしていると、教える側の怒る回数が増えるということです。直されるようなところは、その子が間違って身につけたところですから、一度の注意ですぐに直るわけではありません。しかし、大人はつい、理屈で説明すれば、次からはすぐにできるはずだと思ってしまいがちです。そのために、同じことを二度も三度も注意しているうちに、つい大人のいらいらした感情が出てしまうのです。
 第四は、直す指導を続けていると、すぐに教えることがなくなるので、やがて注意しなくてもいい細かいことまで注意するようになるということです。しかし、直す指導で始めた場合、ただ書かせてほめるだけという指導にはなかなか切り換えられません。小学校高学年から作文指導が少なくなる理由の一つがここにあります。
 では、どういう教え方がいいのでしょうか。
 それは、いいところを褒めることです。そして、その一方で、毎日の自習によって読む力をつけることです。
 毎朝、歯を磨いたり顔を洗ったりするのと同じように、決まりきった自習を続けているうちに、気がついたらいつの間にか作文が上手になっていた、というのが理想的な教え方です。
 自分の子供のいいところを褒めるというのは、実は難しいことです。親はつい、褒めるよりも直すところや注意するところを見つけてしまいがちです。特に、女性は、男性に比べて欠点に敏感なので、子供の欠点も目につきやすいようです。その点、父親は欠点には鈍感なので、子供のいいところを褒めやすいという特徴があります。
 子供の欠点が目についてもそれは気にせずに、いつも明るくいいところを褒めるというのは、ある意味で、親の勉強と言ってもいいかもしれません。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


コメント欄

コメントフォーム
直すよりも褒める勉強法 森川林 20070719 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
おかきく (スパム投稿を防ぐために五十音表の「おかきく」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習