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言葉の森を卒業した大学生・社会人のための学問コース as/2269.html
森川林 2014/12/13 17:53 


 文章力の上達には、段階があります。それは、思考力の発達の段階と言ってもよいでしょう。
 小2までは模倣の時代です。本をよく読んでいる子の中に、その本と同じ文体と同じ語彙で自由に書ける子がいます。そういうことが可能な時期なのです。小学校低学年でよくできる子は、模倣がよくできている子です。
 しかし、小3になると、自分の言葉で書こうとするようになります。すると、小2のころよりも、字数が減り、文章も拙くなってくることがあります。しかし、それが進歩です。
 小3、小4のころは、小学生らしい作文の力が最も伸びる時期です。このころに、表現力も字数もつき、書くことも読むことも楽しくなってきます。
 小5になると、自分で考えて書くようになります。抽象的な語彙が使えるようになるのが小5からなので、構成を考えたり、物事を一般化して、「人間にとって」などという言葉を使って考えたりすることができるようになります。こうなると、かえって小4のころのようには自由に書きにくくなるので、字数も一時的に低下します。
 小6から中2にかけては、作文が書きにくくなる時期です。それは、読む力が伸びていくほどには、書く力が伸びないからです。書く力は、読む力に支えられているので、読む力が先に伸びると、自分の作文が下手に思えてきます。それで、作文を書くことが嫌いになることが多いのです、
 中3になると、書く力が読む力に追いついてきます。中3からの文章力が、その子の実力と言ってもよいでしょう。この時期の文章は、感性の面では生涯で最もレベルの高いものになります。中3のころに、子供たちが書く文章や詩の中には、大人では決して書けないようなものがあります。
 しかし、文章力はこれで完成ではありません。高1、高2と難しい文章を読む期間を経て、高3になると、また一段と高いレベルになります。それは、思考力の骨格が完成してくるからです。
 高3から大学生の時期は、思考力の中身が充実する時期です。社会人になって仕事をするようになると、もうそういう時間はとれなくなります。
 大学生の時期に、古今の古典や難解な書物を読むと、それがその人の生涯の知的財産になります。ところが、多くの大学生は、そういう本を読みません。教科書レベルのハウツー的な、すぐの実践に役立つような本を読んでそれが勉強だと思ってしまうのです。
 大学生の時期は、表面的な読書をするのではなく、自分のものの考え方や生き方の土台となるような読書をする時期です。
 そこで、言葉の森では、言葉の森を卒業した大学生や社会人の生徒を対象に、学問コースを開設したいと考えています。この学問コースは、無料です。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(facebookやgoogle+)を利用して、読書、ディスカッション、作文、交流などを行っていく予定です。
 卒業生のみなさんに、そのうち手紙が行くと思います。



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