ログイン ログアウト 登録
 「反復」と「感動」 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 254番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
「反復」と「感動」 as/254.html
森川林 2008/06/12 12:15 
 「バシャール」という本の中で、未来の教育のことが書かれていました。未来の教育は、「体験を中心としたものとなる」ということです。これを現在の勉強にあてはめてみると、例えば、英語では、「英語漬け」の生活をするのがいちばんいい勉強の仕方で、それが難しい場合は、できるだけ「イメージ化」して覚えるということだそうです。これは、よく納得できる考え方です。
 覚えることをイメージ化することについては、記憶術という方法があります。例えば、数字の「1」から「100」までの百マスの表を作り、そのそれぞれの数字にイメージ化できる言葉をあてはめていきます。「33」だったら「耳」というイメージです。そうすると、無味乾燥な数字がイメージ豊かに記憶できます。これは、だれでも多かれ少なかれやっていることですが、覚える勉強すべてについて意識的かつ体系的に取り組めばかなり成果が上がると思います。
 「体験」と「イメージ化」の本質は、知識が身体化することです。では、それら以外に、知識を身体化するものがないかというと、実はあります。それが、「反復」と「感動」です。
 まず、「反復」から。
 私は、本を読むときに、シャーペンで線を引きながら読んでいます。そうすると、二度目に読むときに、線を引いたところだけ読めば全体を思い出せるからです。そして、二度目に読むときも線を引くので、そこが二重線になります。三度目に読むときは、更に波線になったり、四角で囲まれたりします。そのように、何度も繰り返して読むと、読んだ本が自分の中に消化されてくる感じがします。逆に言うと、一度しか読まない本は、その本のかなりの部分が未消化のままだということです。
 何度も繰り返して読むような本があると、読む力が育つというのは、この反復の大切さから来ているのだと思います。
 同様のことは、勉強全体について当てはまります。参考書でも問題集でも、一冊の同じものを繰り返し五回勉強するというのが勉強の鉄則です。読むたびに大事なところや印象に残ったところに線を引いておけば、二度目、三度目と繰り返すたびに反復の時間は短縮されていきます。しかし、問題集の場合は、短縮されるとともに密度も濃くなってくるので、苦痛を感じる場合もあります。これは、どういうことかというと、一度目にできなかった問題を中心に二度目の問題を解くので、二度目は解けない問題ばかりが続くということです。三度目も同じです。解けない問題ばかりが続くので、この苦痛をのりこえないと問題集の反復学習はできません。
 私の個人的な経験では、一度目に解けない問題は、二度目も、三度目も普通は解けません。そこで、ほとんどの人は、「また、できない。何て自分は頭が悪いんだろう」とあきらめてしまうのです。しかし、実は、反復学習は、四度目ぐらいから急に解けるようになってきます。それが、「同じ参考書や問題集を五回以上繰り返す」という意味です。読書にあてはめれば、身につけたい本は、やはり五回以上繰り返し読む必要があるのだと思います。
 「反復」の次は、「感動」です。(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


コメント欄

コメントフォーム
「反復」と「感動」 森川林 20080612 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
いうえお (スパム投稿を防ぐために五十音表の「いうえお」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習