ログイン ログアウト 登録
 今後のオンライン教育――NewsPicsの「可能性を伸ばす最前線の教育DX」を見て Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4347番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
今後のオンライン教育――NewsPicsの「可能性を伸ばす最前線の教育DX」を見て as/4347.html
森川林 2021/10/11 21:08 


 YouTubeにアップロードされていた、NewsPicsの「子供の『ゲーム禁止』は古い!可能性を伸ばす最前線の教育DX」(10/8)を見て考えたことです。

 第一は、1学級30人や40人の今の学校教育の体制では、デジタル化の活用はできないということです。
 オンライン化を進めている学校の授業の様子を動画で流していましたが、子供たちが熱心にパソコンをのぞきこんでいる周囲を、教員が時々立ち止まって声をかけるというような光景でした。

 子供たちは、基本的にウェブで学習できるとは言っても、子供と先生が一対一で話す時間は、5分以上は必要です。すると、1学級で見られる生徒数は、30人では多すぎます。
 言葉の森が考えている1学級の人数は、4~5人です。
 しかし、今の学校の教育体制を根本的に変えない限り、これは無理なことです。

 第二は、参加者のひとりが言っていたことですが、デジタル化は学習の能率を飛躍的に高めるから、それで空いた時間をもっと創造的なことに向けるということです。
 まさしく、これが本来の教育であって、能率を飛躍的な高められるような学習は、その本当の学習の前提に過ぎません。
 しかし、今のオンライン教育は、その前提のところにばかり力をかけているように思えます。

 第三は、これも同じ人が言っていたことですが、オンライン化によって、子供たちの学び合いが増えるということについてです。
 オンラインで授業を受けながら、子供たちはその一方でLineで友達と勉強を教えあっているという例が出されていました。
 しかし、これからは、その学び合いを授業の中に組み入れることが大事です。
 すると、それは、やはり同レベルの生徒による少人数のクラスを作ることが必要になります。
 学力差のある生徒が多数、オンラインで集まっていても、それは能率の悪い学び合いにしかならないからです。
 この点でも、今の数十人又はそれ以上のクラスを前提にしたオンライン化は限界があるのです。

 第四は、これは別の参加者が言っていたことですが、音声による自動翻訳が実用化に近づきつつあるということです。
 調べてみると、確かに、Googleの自動翻訳よりもずっと精度の高い自動翻訳が国産で開発されているようです。
 自動翻訳は、理屈の上で考えれば、必ず実現する未来の技術です。
 そして、英語教育と同じように、答えが一義的にある数学の教育も、また知識の有無で評価される理解や社会の教育も、将来は、人間が長時間苦労して身につけるものではなく、より短時間で道具として使えるものになっていくと考えられます。
 その道具を何に使うかと言えば、それは、人間の幸福と向上と創造と貢献のために使うのです。

 今、オンライン教育ということでは、スタディサプリが一歩進んでいるように見えますが、同じ仕組みは、教材の蓄積があるところであれば、どこでも考えています。
 だから、やがて、かつてのネットショップの競争のように、さまざまな第二のスタディ○○が現れてくるでしょう。

 教育の分野に進出することは、AmazonもGoogleも考えているので、将来的には、グローバルな競争になる可能性もあります。
 しかし、その基礎教育、つまり能率を高められるような分野の教育は、もう未来の教育の主戦場ではないのです。

 では、どこが教育の主戦場になるかというと、というか、将来は教育は戦場ではなくなるので(笑)、どこが教育の中心点になるかというと、それは創造力と思考力と共感力を育てる教育というところなのです。

 言葉の森は、今、オンライン四人クラスというプラットフォームを作っています。
 これまでは、オンライン五人クラスでしたが、今は四人を定員として、振替授業では五人まで受け入れるという形に変えているところです。

 しかし、大事なのは、プラットフォームではなく、そのプラットフォームに載せる中身です。

 現在は、国語読解や算数数学や英語などの従来の教科のクラスの方が多くなっていますが、将来はそれよりも、作文や創造発表やプログラミングや読書や暗唱のような思考力、創造力を育てる教育が中心になっていくと思います。
 そして、オフラインの自然寺子屋合宿で、リアルな自然と人間との交流をすることが、教育のもうひとつの柱になっていくのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) オンライン教育(0) 

コメント欄

コメントフォーム
今後のオンライン教育――NewsPicsの「可能性を伸ばす最前線の教育DX」を見て 森川林 20211011 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
えおかき (スパム投稿を防ぐために五十音表の「えおかき」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) オンライン教育(0) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習